平成18年・法的整理（倒産）ゴルフ場件数

　ゴルフ場企業の法的整理は平成14年、15年をピークにして年々件数・負債額とも減少している。

　平成18年12月の法的整理件数は8件、既設ゴルフ場9コース、建設・認可未着工コース1件となり、前年同月の4件、既設4コースからほぼ倍増した。この結果、本紙集計による18年の法的整理件数はトータルで52件で、その負債額は5781億円となり、既設59コース、建設・認可未着工2件となった。

　これは、17年法的整理件数71件（負債1兆4004億円、既設80コース、建設・認可未着工4コース）と比べ、件数で19件減、既設で21コース減少した。

　別表通り、法的整理件数は14年の98件、既設は15年の132コースが最多となっており、18年は件数で6番目、既設コース数で6番目となり、ピークは越えたものの依然高い水準が続いている。これで、バブル崩壊以降（平成3年）の法的整理件数は18年12月末で536件となり、既設681コース、建設・認可48件となった。負債総額は14兆5580億円となっている。

　18年の法的整理企業は、特別精算を除き法的種別でもそれぞれ減少した。民事再生法が44件（前年56件）で既設51コース（65コース）、建設・認可1コース（1コース）。会社更生法は0件（6件）で既設0コース（7コース）、建設・認可0件（0件）・破産は6件（9件）で既設5コース（8コース）、建設・認可1件（3件）。特別精算は2件（0件）で、既設3コース（0コース）、建設・認可0コース（0コースとなった。

　会社更生法が18年5月に施工され、特別精算の可決要件が再生法同様の過半数の賛成に緩和されたことで特別精算が増加した。

　平成15年4月に改正された更正法は、18年に1次申請で利用されたケースはなかったが、会員など債権者申立による更生手続きへの移行が増え、18年に再生法を申請した企業の内、2件が現在更生手続き中となっている。

　法的整理企業の既設ゴルフ場の所在地別では、栃木県8コース（17年6コース）、北海道5コース（3コース）、福島県4コース（1コース）、群馬県4コース（3コース）、千葉県4コース（5コース）などで、北関東が目立った。17年に11コースだった兵庫県は法的整理は0コース、8コースだった三重県は1コースに減少している。

　18年の負債額でみると最多は3ゴルフ場経営の日本ゴルフ開発（株）の430億円。1件当たりの負債額は113億円、1コース当たりの負債額は96億円で、ともに平成6年に次いで低くなった。3年から18年までトータルの平均は1件当たり272億円、1コース当たり200億円だった。

　この負債額の減少傾向は、多数のゴルフ場を経営する大型企業の申請が少なくなったほか、バブル期に巨額の金融債務を抱えた企業の整理が進んだことを意味する。

　このため負債額の大半が会員の預託金とする企業の割合が増えるとともに、堅実経営で地区を代表するようなゴルフ場企業も預託金の償還に耐えられなくなり、再生法の道を選んだ。

　今後については、施設競合で経営が立ちゆかなくなっている地方のゴルフ場、地方金融機関の債権処理問題、それに預託金の償還を延長したゴルフ場の再度の償還問題等が懸念されている。このため当面法的整理を申請するゴルフ場はなくならないが、年々法的整理申請が減少するのは間違いないとみられる。