平成12年4月に施行された民事再生手続きは、企業の事業を劣化させずに迅速に企業を再建できる法律として、ゴルフ場企業の再生に活用されているが、中には再生法申請から1年以上も再生計画案の決議を行っていない倒もある。
そこで、再生法申請から1年以上経っても認可決定を受けていない事例を調べたところ、現段階で壱岐CC(9ホール、長崎県壱岐市)経営の(株)壱岐カントリー倶楽部、倉吉インターヒルズGC(18ホール、島取県倉吉市)経営の(株)倉吉インターヒルズゴルフクラブの2件があることが判明した。
第三セクター経営の壱岐CCの場合は、17年4月27日に福岡地裁に再生法を申請して2年半以上も経過しているが、未だに計画案を裁判所に提出していない。
このように長期になったのは、債務免除による免除益を考盧せずに再生計画を立案し、監督委員にその不備を指摘されて修正に手間取った他、不動産鑑定評価の査定なども遅延したためという。
その間に韓国からスポンサー候補が視察に来ることもあったようだが、国有地の借地があり「三セク経営でないと賃借できない」ことから実現もなかった。
一方、倉吉インターは昨年4月17日に再生法を鳥取地裁に申請してから1年半以上経過している。その間に申請代理人が辞任したこと(現在の代理人は多くのゴルフ場再生に携わつている泊昌之弁護士)や、監督委員の意見書提出が遅延していることなどから遅れているようだ。
ただし、既に裁判所には計画案を提出済みなので、近々にも計画案を会員等の債権者に配布できる状況にあるようだ。
ちなみに2件の手続きの遅延は、申請代理人の弁護士や担当した裁判所が再生手続きに不慣れだったためとみられる。それにしても、壱岐CCの場合は申請からすでに31ヶ月を経過。
再生計画認可決定まで(計画案が成立すればの条件付きだが)過去最長記録を更新することが確定している。
これまでの最長記録は、旭国際開発(株)の28ヶ月だった。逆に最短は、債権者が1社だった(株)吉井カントリークラブで32日間となっている。
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