(株)エヌ・エス・エイ・ジェイ(栃木県大田原市福原2002、設立昭和53年5月、資本金1億5250万円、熊田宗一社長、従業員44名)は平成18年2月1日、宇都宮地裁に民事再生手続開始を申し立てた。
申立代理人は高城俊郎弁護士(東京都中央区銀座7-12-5、電話03-3541-5200)ほか。負債は約68億円(会員預託保証金約45億5000万円、金融債務約22億7000万円、会員約4060名)。
同社は「ニュ−・セントアンドリュースゴルフ・ジャパン」の運営会社。同ゴルフ場はJ・ニクラウスが国内で初めて設計したゴルフ場で、昭和50年5月エリザベス英国女王の来日を記念してオープン、景観の良い難コースとして知られる。
開業時は別会社が経営母体となっていたが、53年5月にメンバー代表で構成する理事会が中心となり各会員が出資して同社を設立、競売に付された同ゴルフ場を落札した経緯がある。以後、ゴルフブームに乗り昭和61年9ホール(オールドコース)を増設、ホテル、ナイター設備を備えた県北部を代表するゴルフ場となった。
しかし、近年は個人消費低迷の影響や周辺ゴルフ場の価格競争から業績は、平成3年12月期の年商20億円超をピークに低下、慢性的な赤字に加えコース増設費用やナイター施設など設備資金が経営を圧迫していた。
このため、クラブ再建対策委員会が再建に向けて検討を重ねていたが、メイン銀行の足利銀行の債権が整理回収機構へ移行、さらに他の銀行債権が債権買取り会社へ譲渡されるなどで資金調達力が低下していた。
対応策として 同委員会はプレー権保護の観点から民事再生によるクラブ存続の方針を固め、平成17年11月下旬に会員へ協力を要請するとともに、今年1月中旬に再生計画案を提示した。
なお、同再生計画案は次の通り。
(1)プレー権の確保、会員によるクラブ運営、従業員の雇用確保。
(2)担保権者である整理回収機構と債権買取り会社への弁済額をゴルフ場の資産評価5億円とする。
(3)会員による弁済原資の支援協力。
(4)支援協力金の資本組入れ、担保権者に対し不足する弁済資金の分割弁済要請。
(5)資本の全額減資と協力金の資本組み入れによる新株発行。
(6)一般再生債権となる会員の預託保証金債権、退会会員に対する未払預託保証金債権、
担保権者の残余債権は全額免除、
・・・・などが骨子となっている。
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