平成30年のゴルフ場企業法的整理状況が、一季出版(株)発行のゴルフ特信(2月18日発行、東京都中央区日本橋馬喰町2-2-12 TEL:03-5847-3366)の調べにより判明した。
29年比で件数・コース数ともに4コース増となり、負債総額では210億円増と2年振りの増加も、平成6年の237億円、29年の329億円、26年の525億円に次ぐ過去4番目の低水準となったようだ。30年トータルの法的整理件数は13件、コース数は既設15コース、建設・認可0コース、負債総額539億円となっている。
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一季出版(株)では、申請段階でゴルフ場経営に関与しない下記4件と2次申請(民事 → 破産)の朽木GCはカウントから外しているため、計18件から5件を引いて13件としてまとめています。
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* 飛騨高山国際観光開発(株) * CGC管理(株) * 太平洋観光開発(株) *(株)緑友会 *(株)朽木ゴルフ倶楽部
→ 参照 平成29年のゴルフ場企業法的整理状況
法的整理を行ったゴルフ場企業に関しては、弊社で全記事を掲載しておりますので、下記「平成30年法的整理企業・詳細一覧」をご覧下さい。
なお、(株)帝国データバンクも2月8日に、2018年(平成30年)のゴルフ場経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)について集計・分析した結果をまとめて発表し、経営業者の倒産件数は20件、負債総額は約923億円としている。
→ 参照 平成30年(2018年)のゴルフ場経営業者の倒産動向調査(帝国データバンク調べ)
ところで、平成25年から法的整理以外にゴルフ場事業そのものを廃業したり閉鎖、または遊休地やホール数を減らしてメガソーラー発電所に転用したゴルフ場が多く見らるようになったが、30年の閉鎖ゴルフ場数(18ホール以上が対象 椿ゴルフ調べ)は、8コースと極端に減っていることが窺える。
・平成25年30コース、
・26年43コース
・27年18コース
・28年30コース
・29年16コース
・30年8コース
→ 参照 全国で閉鎖(完全・一時・一部)したゴルフ場一覧、都道府県別に掲載
要因としては、経済産業省の再生可能エネルギーの固定買い取り価格が当時(42円、同)だったものが、平成29年度21円(税別)と半分にまで値下げされ、平成30年度にも産業用の買い取り価格を現在の1KWh21円から同20円弱に、数年かけて10円前後を目指すということもあり、事業が立ち行かなくなるケースが相次いでいることが第一に挙げられる。
但し、今後もゴルフ人口の減少により、採算の厳しいゴルフ場の法的整理や閉鎖するゴルフ場は増加するものと思われ、閉鎖後の用地利用はメガソーラー一辺倒では無く、平成30年に閉鎖したアザレアCC(18H中の9H、茨城)のサービス付き高齢者向け住宅計画やライジングGC(18H、茨城)の牧場への転換等、別事業への用地利用も増えてきそうである。
→ 参照 ゴルフ場を閉鎖、或いは遊休地を利用してメガソーラーを建設
※全て含めた18件中の下記データより
法的整理の態様別では、
・ 民事再生法=8件(前年6件)
・ 会社更生法=0件(同0件)
・ 特別清算=2件(同0件)
・ 自己破産=2件(同0件)
・ 破産=6(内1件は民事再生 → 破産、同0件)
負債額順上位5社(100億円超は2件、昨年0件)
・ CGC管理(株)(中京GC)約146億円
・ 太田資源開発(株)(鳳凰GC)112億円
・ (株)児玉カントリー倶楽部(株)(児玉CC) 約96億円
・ (株)緑友会(埼玉長瀞GC)88億円
・ (株)朽木ゴルフ倶楽部(朽木GC) 約77億円
ちなみに、平成30年12月末時点でのバブル崩壊以降の法的整理件数は789件、コース数既設971コース、建設・認可48コース、負債総額16兆8989億円となった。
・1995年~2018年のゴルフ場倒産件数・負債総額の推移・グラフ
・平成30年のゴルフ場経営交代は32コースで前年比137コース減
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