帝国データバンク(平成30年8月30日付)によれば http://www.tdb.co.jp/
「兵庫」 西日本観光(株)(資本金4300万円、篠山市和田東勝山32−1、代表井上高文氏、従業員30名)は、8月30日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。
申請代理人は浦田和栄弁護士(大阪府大阪市中央区北浜2-5-23、弁護士法人関西法律特許事務所、電話06-6231-3210)ほか6名。監督委員には野村剛司弁護士(大阪府大阪市北区西天満4-3-4、なのはな法律事務所、電話06-6311-7087)が選任されている。
なお、民事再生手続きに関する問い合わせ窓口は、電話079−556−8036。
当社は、1971年(昭和46年)9月の設立。篠山市内で2カ所のゴルフ場(「青山台ゴルフ倶楽部」、「篠山ゴルフ倶楽部」)の運営を行っていた。
「青山台ゴルフ倶楽部」(18ホール)は、1974年4月開場で正会員約1800名を有し、1984年には関西プロゴルフ選手権(日本ゴルフツアー)を開催。
「篠山ゴルフ倶楽部」(18ホール)は1980年5月開場で正会員約1500名を有し、地元近郊のゴルフ愛好者を中心として相応の知名度も維持し、2002年3月期には年収入高約12億2800万円を計上していた。
しかし、以降は国内ゴルフ人口の減少を背景として業容の縮小傾向が続き、2018年3月期の年収入高は約5億1500万円にまでダウン。
このため、DM送付によるリピート客の掘り起こしや、施設内レストランで地元名産品の黒豆や三田ポークを用いたメニュー提供などで集客維持に努めていたものの、近隣同業者との競合激化によるプレー料金の低価格化の影響を受けて採算面も低調に推移していた。
こうしたなか、昨年の台風による大雨被害に加えて、今年に入ってからは大阪北部地震や西日本豪雨に、連日の酷暑も続いたことから来場者が大きく減少し資金繰りが悪化。
このため、7月26日付で預託金返還方法に関する会則変更のための会員集会を開催したものの出席者数不足により不成立に終わったことで9月以降の資金繰りの目途が立たなくなり、民事再生手続きによる再建を目指すこととなった。
負債は2018年3月期末時点で約52億7900万円。
なお、8月30日以降も従前と同様に営業は継続している。
・・・・ ここまで ・・・・
青山台GC URL=http://www.aoyamadai.co.jp/(表示方法)
青山台GC(昭和49年4月開場、18H、6,649Y、P72、兵庫県篠山市和田字東勝山32-1、TEL:0795-52-4980)は、舞鶴若狭自動車道・丹南篠山口ICより8q、JR宝塚線(福知山線)・篠山口駅より約10分に位置。起伏は少なめで、ドッグレッグは2ホールのみ。アウトは起伏がありフェアウェイも多少狭い。池越えや谷越えなどバラエティに富んだホールが多い丘陵コース。
会員権相場(名変料20万円、年会費3・0万円=税別、正会員)は、平成25年8月1日に50万円を20万円に減額も、売り15万円に対して買いは”相談”と低位で低迷していたようだ。
篠山GC URL=http://www.sasayama-gc.com/
篠山GC(昭和55年5月開場、18H、6,703Y、P72、兵庫県篠山市奥山字是次45-1、TEL:0795-58-0341)は、舞鶴若狭自動車道・丹南篠山口ICより18q、JR宝塚線(福知山線)・篠山口駅より30分に位置。加藤俊輔氏の設計・監修。ホール間が樹木でセパレートされた落ち着きのあるコースレイアウトの丘陵コース。
会員権相場(名変料20万円、年会費2・4万円=税別、正会員)は、売り10万円に対して買いは”相談”と青山台GC同様(平成25年8月1日に50万円を20万円に減額)に低位で低迷していたようだ。
ちなみに、篠山は平成6年に9ホールを増設し27ホール営業だったが、平成27年3月に9ホールを閉鎖(売却)し18ホール営業に縮小。跡地には、中国の太陽光パネルメーカーのジンコソーラーホールディングスが、合計7・245MWのメガソーラー(一般家庭約1900世帯の消費発電電力に相当)を建設している。EPC(設計・調達・施工)サービスは、旭電業(岡山市)が担当している。
ジンコソーラーホールディングス URL=https://www.jinkosolar.com/
↓↓↓ 令和元年6月6日追加
令和元年5月末日、篠山ゴルフ倶楽部(兵庫)を(株)バンリューゴルフが取得
参考資料・平成30年に法的整理を行ったゴルフ場一覧(関東・地方別)
ちなみに、平成28年の負債総額は744億円(既設16コース)、平成29年は329億円(既設9コース)と2年連続で減少していたが、現時点で早くも3年振りの増加に転じている。平成27年は1,111億円なのでこれに迫る勢いとなっている。
→ 1995年〜2017年・ゴルフ場の法的整理・負債総額推移及びグラフ
今年の5月18日に帝国データバンクが、「ゴルフ場経営業者951社の経営実態調査」の中で”2018年の倒産件数は、4月時点で13件となっており、すでに前年(12件)を上回っている、ゴルフ場の倒産は
リーマン以降最多のペースで発生”と発表。その後、5月・7月と法的整理ゴルフ場がなかったため、そこまでは伸びないようだが。
→ 「ゴルフ場経営業者951社の経営実態調査」に関する弊社掲載ニュース
ちなみに、リーマンショック(平成20年、2008年)以降の倒産ゴルフ場最多は、平成24年(2012年)の3,110億円(26件、44コース)となっている。
↓↓↓ 令和元年7月30日追加
西日本観光(株)の再生計画案決議は8月8日
民事再生手続き中で「青山台ゴルフ倶楽部」を経営する西日本観光(株)の再生計画案の決議が、6月27日付けで大阪地裁から再生計画案の決議に付する旨の決定を受け、債権者に再生計画案を配布し8月8日必着の書面決議により行われることが判明した。
計画案の詳細は未発表のため不明だが、残った資産やゴルフ場運営で生むキャッシュフローにより債権者に弁済する自主再建型のようだ。
ちなみに、 「篠山ゴルフ倶楽部」は既報通り、5月31日に(株)バンリューゴルフヘ売却されており、同GCの会員(正会員約1500名)は青山台GCに移籍することになっている。
↓↓↓ 令和元年10月4日追加
青山台GCを経営の西日本観光(株)、再生計画案が可決し認可決定
民事再生手続き中で「青山台ゴルフ倶楽部」を経営する西日本観光(株)の再生計画案の決議が行われ人数・金額共に9割以上の賛成多数で可決し、大阪地裁より8月26日に認可決定を受け、9月20日に認可決定確定となったことが判明した。
青山台GCのホームページでは下記の通り、「再生計画・認可決定のご報告」と題し、10月1日に案内されている。
再生計画・認可決定のご報告(2019年10月1日)
当社の民事再生手続(事件番号:平成30年(再)第8号)につきまして、皆様の多数のご同意をいただき再生計画案が可決され、令和元年8月26日をもって、大阪地方裁判所より再生計画の認可決定がなされました。皆様には、本手続にご協力賜りましたことを感謝し、御礼申し上げます。
当社は、皆様に、質の高いサービスをご提供し、今後、より一層当倶楽部を快適にご利用いただけるよう、従業員一同、日々努力をして参る所存ですので、今後とも当社をごひいきくださいますようよろしくお願い申し上げます。
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会員への再生計画案での弁済条件は、
・全会員へ旧預託金の5%を一括弁済(30万円以下は全額弁済)
・継続会員は、弁済金のうちの30万円を永久債として再預託する
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