平成29年のゴルフ場企業法的整理状況が、一季出版(株)発行のゴルフ特信(2月21日発行、東京都台東区浅草1-9-13、TEL:03-3864-7821)の調べにより判明した。
28年比で件数・コース数ともに7コース減となり、負債総額では415億円減と平成6年の237億円に次ぐ過去2番目の低水準となったようだ。29年トータルの法的整理件数は9件、コース数は既設9コース、建設・認可0コース、負債総額329億円となっている。
→ 参照 平成28年のゴルフ場企業法的整理状況
法的整理を行ったゴルフ場企業に関しては、弊社で全記事を掲載しておりますので、下記「平成29年法的整理企業・詳細一覧」をご覧下さい。
ところで、平成25年から法的整理以外にゴルフ場事業そのものを廃業したり閉鎖、または遊休地やホール数を減らしてメガソーラー発電所に転用したゴルフ場が多く見らるようになったが、閉鎖ゴルフ場数は平成25年30コース、26年43コースと大幅に増え、27年18コース、28年30コース、29年16コース(18ホール以上が対象)となっている(椿ゴルフ調べ)。
→ 参照 全国で閉鎖(完全・一時・一部)したゴルフ場一覧、都道府県別に掲載
但し、メガソーラー転用に関しては経済産業省の再生可能エネルギーの固定買い取り価格が、平成29年度21円(税別)と当時(42円、同)の半分にまで値下げされた。さらに、経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度で、太陽光発電のさらなる価格引き下げに乗り出すという。
平成30年度にも産業用の買い取り価格を現在の1KWh21円から同20円弱とする見通しで、数年かけて10円前後を目指すということもあり、価格引き下げや事業者の乱立による競争激化を背景に、事業が立ち行かなくなるケースが相次いでおり、ソーラー関連企業の倒産も増えている。
今後もゴルフ人口の減少により、採算の厳しいゴルフ場の法的整理や閉鎖するゴルフ場は増加するものと思われるが、閉鎖後の用地利用はメガソーラー一辺倒とはいかないようだ。
平成30年に閉鎖したアザレアCC(18H中の9H、茨城、1月15日閉鎖)のサービス付き高齢者向け住宅計画やライジングGC(18H、茨城、1月21日閉鎖)の牧場への転換等、別事業への用地利用も増えてきそうである。
→ 参照 ゴルフ場を閉鎖、或いは遊休地を利用してメガソーラーを建設
法的整理の態様別では、
・民事再生法=6件(前年7件)
・会社更生法=0件(同1件)
・特別清算=3件(同4件)
・破産=0(同4件)
負債額順(100億円超)は0件(昨年2件)
・ 南国興産(株)(知覧CC) 約79億円
・(株)花咲カントリー倶楽部(花咲CC) 約71億円
その他
・50億~100億円未満 1件(昨年10件)
・50億円未満 6件(昨年4件)
ちなみに、平成29年12月末時点でのバブル崩壊以降の法的整理件数は776件、コース数既設956コース、建設・認可48コース、負債総額16兆8449億円となった。
・1995年~2017年のゴルフ場倒産件数・負債総額の推移・グラフ
・平成29年のゴルフ場経営交代は169コースで前年比134コース増
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