2007年（平成19年）ゴルフ場経営業者の倒産動向調査

はじめに

　石川遼選手、上田桃子選手らの活躍が多くのメディアで取り上げられたほか、入場者数に底打ち感が出てくるなど2007年は明るい話題が多く聞かれたゴルフ業界。

　ゴルフ場経営業者の倒産は、2000年代前半には負債1000億円を超える超大型倒産が相次いだものの、2006年は500億円以上の負債を抱えた倒産は発生せず、以前と比較して沈静化の兆しが見えつつある。

　しかし、倒産したゴルフ場の買収などで規模を拡大、スケールメリットを生かした経営で業績を伸ぱしている外資系上場2社の台頭で2極化の様相を呈するなか、プレーヤーの中心である団塊世代が定年を迎えるなど、引き続き動向が注目されよう。

　帝国データバンクでは、2007年のゴルフ場経営業者の倒産動向についてまとめた。

調査結果

　2007年のゴルフ場経営業者の倒産件数は49件で前年(54件)比9・3%減少、ピーク時の2002年(108件)に比べて54・6%減となり、減少傾向が続いていることが判明した。

　しかし、ゴルフ場の倒産が増加し始めた90年代後半の倒産件数(20件台)と比べ、まだ高水準で推移している。負債総額は6889億9500万円となり、前年比8・4%増と若干増えたものの、2002年(2兆l897億9000万円)と比較すると68・5%減、個別でも負債500億円以上の倒産は2件にとどまり、負債規模の小型化が鮮明になつている。

　一方、全業種における2007年の大型倒産上位30社のうちゴルフ場が10社を占めており、全体の負債総額を押し上げていることが分かった。

　倒産したゴルフ場(60件)の所在地(注)をみると、「関東」(16件、構成比26・7%)、「中部」(14件、同23・3%)で半数を占め、都道府県別では北海道(6件)以下、千葉県(6件)、岐阜県(6件)、長野県(5件)で多く発生した。倒産態様別では「民事再生法」が35件(同71・4%)で7割以上を占める結果となった。

（注）複数のゴルフ場を保有・運営する企集があるため・倒産件数とゴルフ場数は一致しない。

　2007年のコルフ場経営業者の倒産件数は49件となり、前年(54件)比9・3%の減少となった。ゴルフ場の倒産件数がピークを記録した2002年(108件)に比べ半減した2006年に引き続き減少、2001年以来となる50件割れとなった。

なお、会員など第三者による申し立てが11件(うち4件は、自社で申し立て後に第三者より申し立てられた)発生している。

　負債総額は6889億9500万円となり、前年比8・4%の増加となった。しかし、2002年(2兆1897億9000万円)と比較すると68・5%減で2006年(71・0%減)同様大幅な減少となっており、また1件あたりの負債額は、140億6100万円で昨年同様150億円を割り込むなどゴルフ場の倒産は以前より小型化の傾向にあることが浮き彫りとなった。

※下記グラフは、椿ゴルフが独自に作成させて頂いたものです（平成20年までの統計）

年　度 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 負債（千億円） 2・0 1・0 4・8 3・2 4・5 6・5 10・0 30・2 20・2 18・8 14・0 5・7 6・2 3・9 法的整理件数（会社） 10 11 12 20 30 30 53 98 80 82 71 52 41 30

　負債規模別の分布は下表通り。2007年で最も負債額が大きかったのは、（株）ビ・エフ・アール（負債556億2700万円、大分県、12月、会社更生法）で、以下（株）伊香保ゴルフ倶楽部（同504億円、群馬県、11月、民事再生法）が続く。

　負債は最大でも500億円台で昨年同様、複数のゴルフ場を経営する業者の倒産が大きく減少していることが背景にある。（2007年の主なゴルフ場経営業者の倒産を参照）

　倒産態様別にみると、「民事再生法」が35件（構成比71・4％）で7割強を占め、同じ再建型の「会社更生法」は4件（同8・2％）だった。清算型では「破産」が4件（同8・2％）、「特別精算」が6件（同12・2％）で、再建型の倒産が約8割、清算型の倒産が約2割という結果となっている。

倒産態様別件数分布表