(株)松栄興業(日進市岩崎台1-2207、設立昭和53年6月、資本金3000万円、松居敬二社長)は平成18年6月27日、ゴルフ場会員3名から名古屋地裁に破産手続開始を申し立てられ1月15日開始決定を受けた。
破産管財人は木村静之弁護士(名古屋市中区丸の内1-10-23、電話052-201-5002)。負債は約210億円(うち預託金約155億円)。
同社は昭和53年6月に設立されたゴルフ場運営、保険代理業者。当初は高級衣料品店及び飲食店の経営を主体にしていたが、平成1年10月に総額約150億円を投じてゴルフ場「ベルグラビアカントリークラブ」(岐阜県恵那市串原)をオープン、ピーク時の平成4年2月期には年商約27億円をあげていた。
だが、多額の償却負担から債務超過に陥っていたうえ、その後はゴルフブームの衰退や近隣ゴルフ場との競合から業績が低迷。対応策として、11年10月ゴルフ場用地を親会社の(株)松安産業(愛知県日進市)に売却、同社はゴルフ場の運営に特化するとともに、資産売却や関連会社への貸付金などの不良債権を処理。
そのため、12年2月期は年商9億6900万円に落ち込み11億6300万円の赤字、翌13年2月期も年商6億6900円に減少、3億600万円の欠損となり、この結果、資産合計183億円に対し負債合計は218億円(うち預かり保証金約161億円、長期借入金約54億円)と財務内容の悪化に拍車が掛かっていた。
こうした中、高級衣料品店部門を別法人の(株)巴里ブティックに移したほか、14年10月にはゴルフ場の運営も別法人の(株)ベルビアカントリー倶楽部(現:(株)BK)に移し、同社は関連会社向けの保険代理業に転換した。
しかし、同社の動産、不動産などに差押や競売などが登記され経営が困難となり16年2月からは実質休業状態に陥っていた。
同社は今回の事態について「会員約900名に会員権分割や預託金返還請求延長を話し合い90%近くの賛同を得、残り10%の会員との話し合いを進めていた最中のこと」と話している。
なお、同ゴルフ場は昨年に営業権を取得した別会社で平常通り営業している。
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平成17年12月にゴルフ場施設及び営業権を(株)アメリカンネットサービス(谷川健男社長)に売却し、ゴルフ場事業活動を停止していた。
(株)アメリカンネットサービスは、同ゴルフ場名を「メダリオン・ベルグラビアリゾート」と変更して営業している。松栄興業の預託金は引き継いでいないが、会員(分割もあり1800名程度という)の内の1500名ほどが、同リゾートの会員として移行したとしている。→関連記事
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