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はじめに 近年の大型倒産で負債額の上位を占めてきたゴルフ場経営業者。昨年12月には、傘下にゴルフ場運営会社を持つ米投資ファンド、ローン・スターのグループ企業が東証1部に上場を果たし話題を呼んだが、同グループは倒産したゴルフ場の買収などを積極的に手がけてきた経緯がある。 こうしたケースに限らず、倒産後にスポンサーの支援を得て、競争力をつけているゴルフ場もある。こうしたなか、集客、価格競争は激しさを増しており取り巻く環境はいまだ厳しい。 帝国データバンクでは、2005年のゴルフ場経営業者の倒産動向についてまとめた。 調査結果 2005年のゴルフ場経営業者の倒産件数は65件となり、前年比25.3%の減少となった。また負債総額は、1兆1477億1500万円となり、前年比34.7%の減少となった。ゴルフ場の倒産件数がピークを記録した2002年(=108件)と比較すると、件数は4割減、負債総額は半減したことになる。 昨年、負債額が1000億円を超えるゴルフ場の大型倒産は、(株)シンコー(負債2020億円、大阪府、2月民事再生法→更生法)の1社にとどまった。また、昨年の負債額上位のゴルフ場も主に上半期に集中しており、下半期は、大型倒産の沈静化傾向が鮮明になってきている。 とはいえ90年代と比較すると、なおゴルフ場の倒産は高水準で推移している。預託金償還問題がネックとなり行き詰まったゴルフ場が多いことは言うまでもないが、償還期に償還できず、期限の延長などでしのいできたゴルフ場も存在する。ゴルフ場の倒産はピークを過ぎたとはいえ、今後も倒産は断続的に発生していくことが予想される。 |
■倒産件数の推移 〜ピーク時の2002年(平成14年)から4割減〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2005年のゴルフ場経営業者の倒産件数は65件となり、前年比25.3%の減少となった。また、ゴルフ場の倒産件数がピークを記録した2002年(=108件)に比べ、39.8%減となるなど、減少傾向が鮮明になっている。 減少の背景には、預託金償還問題を抱え行き詰まるゴルフ場の整理が過去数年で進められてきたことや、ゴルフ場を経営する法人をグループで複数抱えるような大手業者の倒産が一服したことがあげられる。 月次ベースでみると、2月には(株)シンコーなどグループ4社が倒産したことなどで件数は13件と突出する形になった。
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■負債額 〜負債額1000億円以上の倒産は1件にとどまる〜 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
負債総額は1兆1477億1500万円となり、前年比34.7の減少となった。また、過去最高を記録した2002年と比較すると47.6%の減少となり、3年間でほぼ半減したことになる。 2005年の負債額1000億円を超える倒産は、(株)シンコーの1件にとどまっており、以下、(株)富士エクセレント倶楽部(負債 958億円、愛知県、1月民事再生法)、佐藤興業(株)(負債590億円、千葉県、5月破産)と続いている。 これらの負債額上位の倒産や、負債300億円前後の大型倒産は、概ね上半期に集中しており、下半期は大型倒産が沈静化傾向にあることが鮮明になっている。
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■倒産態様別 〜「再建型」の倒産が86.2%を占める〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
倒産態様別にみると、最も多かったのは「民事再生法」の44件(構成比67.7%)、続いて「更生法」が12件(同18.5%)、破産が7件(同10.8%)となっている。「民事再生法」と「更生法」を合わせると56件となり、86.2%が「再建型」の倒産手続きに拠っている結果となった。 更生法のゴルフ場については、債権者から申し立てられたケースや、(株)シンコーなどグループ4社のように、当初民事再生法を申請したが、その後債権者から申し立てられる(4社の内2社は更生手続き開始決定を、残りの2社は破産手続き開始決定を受けている)ケースが見受けられた。 倒産態様別件数分布
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■大手企業の系列ゴルフ場 〜前年から半減し、8件にとどまる〜 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2005年の大手企業の系列ゴルフ場の倒産件数は8件にとどまり、前年の17件から半減する結果となった。2004年に大手系列のゴルフ場倒産が増加した背景には、親会社からの支援が得られなくなったケース、また2006年3月期から本格導入される「減損会計」を控えて処理されたケースなどがあった。 2005年は特に「減損会計」へにたいおうにより、整理されるゴルフ場が増加することになるのか注目されたが、昨年1年間で目立った動きは見られなかった。今後は、多くの企業が決算を迎える3月にかけて、不採算のゴルフ場を法的整理するケースが出てくるのか、注目される。
▽2005年の大型倒産 上位10社(負債額の単位は億円)
▽2004年の大型倒産 上位10社(負債額の単位は億円)(2004年ゴルフ場経営業者の倒産動向)
▽2003年の大型倒産 上位10社(15年の破綻状況と特徴)
▽2002年の大型倒産 上位10社
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一季出版株式会社発行のゴルフ特信・第4407号を参照させて頂きました。
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