令和4年(2022年)のゴルフ場企業法的整理状況が、一季出版(株)発行のゴルフ特信(3月6日発行、TEL:03-5847-3366)の調べにより判明した。
令和4年の法的整理件数は7件(昨年比+4)、コース数は既設7コース(同+4)、建設・認可0コース(同)、負債総額58億円(昨年107億円)と昨年に続きバブル崩壊以降での最低記録を更新した。100億円を切るのは初めてで、それまでは平成6年(1994年)の237億円が最低だった。
2019年:547億円 → 2020年:227億円 → 2021年:107億円 → 2022年:58億円
→ 参照 令和3年(2021年)のゴルフ場企業法的整理状況
昨年もこのコーナーでお伝えしたが、倒産件数が減っているということでゴルフ場を取り巻く環境は良くなっているのかと言えば、実際はそうではないのである。「法的整理
→ スポンサー企業の支援或いは自主再建 → 再生」の倒産型ではない整理手法に切り替わっているだけなのである。
弊社の倒産関連ニュースの中で特に目に付くようになってきたのが”経営交代”である。つまり、法的整理(倒産)に入る前に清算や事業譲渡するケースである。ちなみに、令和4年に経営交代したゴルフ場は、アコーディア・ゴルフとネクストゴルフのソフトバンクグループ傘下のフォートレスへの169コース売却が大きな要因となり、193コースとなっている。
こちらは、いわゆる”倒産件数”には含まれないのである。これらの数字を含めて考えると大きく減少しているとはいいがたい。下記の年代別経営交代件数を見て頂ければ一目瞭然である。もし、この半数が法的整理に入っていたとしたら・・・ご想像通りです。
→ 参照 令和4年(2022年)に経営交代したゴルフ場
・ 令和3年(2021年) |
21件 |
・ 令和2年(2020年) |
28件 |
・ 令和元年(2019年) |
59件 |
・ 平成30年(2018年) |
32件 |
・ 平成29年(2017年) |
169件 |
・ 平成28年(2016年) |
54件 |
・ 平成27年(2015年) |
40件 |
・ 平成26年(2014年) |
72件 |
令和4年の法的整理を行ったゴルフ場企業に関しては、弊社で全記事を掲載しておりますので、下記「令和4年法的整理企業・詳細一覧」をご覧下さい。
ところで、平成25年から法的整理以外にゴルフ場事業そのものを廃業したり閉鎖、または遊休地やホール数を減らしてメガソーラー発電所に転用したゴルフ場が多く見らるようになったが、令和4年の閉鎖ゴルフ場数(18ホール以上が対象 椿ゴルフ調べ)は7コースと、3年連続で一桁で推移し、徐々にではあるが減少傾向にあることが窺える。
これは、平成24年7月1日に施行された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT、1KWh=42円)が入札制度に変わったため買取価格が大幅に下落、メガソーラー事業転換もメリットがなくなってきたことが大きな要因となっている。
< 閉鎖ゴルフ場数推移 >
・ 令和3年 (2021年) |
6コース |
・ 令和2年 (2020年) |
8コース |
・ 令和元年(2019年) |
13コース |
・ 平成30年(2018年) |
8コース |
・ 平成29年(2017年) |
16コース |
・ 平成28年(2016年) |
30コース |
・ 平成27年(2015年) |
18コース |
・ 平成26年(2014年) |
43コース |
・ 平成25年(2013年) |
30コース |
→ 参照 全国で閉鎖(完全・一時・一部)したゴルフ場一覧、都道府県別に掲載
ちなみに、令和4年(2022年)12月末時点でのバブル崩壊以降の法的整理件数は809件、コース数既設991コース、建設・認可48コース、負債総額16兆9931億円となった。
・1995年~2022年のゴルフ場倒産件数・負債総額の推移・グラフ
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