本紙では、改造等を含む閉鎖中ゴルフ場及び増設中ゴルフ場を毎年8月に調査しているが、破産や競売、営業不振などにより閉鎖するゴルフ場がこの1年で増加する一方、既設ゴルフ場の増設は依然停滞していることが分かった。
閉鎖中ゴルフ場調査では、この1年間に田人CC(福島県)、ワークジャパンGC国見コース(福島県、旧、白鳥CC)、伊豆湯ヶ嶋C(静岡県、旧・湯ヶ嶋高原C)の3コースが営業を再開、その一方で新たに10コースが閉鎖しており、前回調査から引き続き閉鎖中ゴルフ場と合わせると、現在19コース(前回調査12コース)が閉鎖している。
閉鎖中19コースを都道府県別でみると、北海道の4コースが最も多く、以下、山梨県3コース、山形、福島、兵庫県各2コース、青森、栃木、群馬、岐阜、岡山、沖縄県各1コースと続いており、比較的東日本に多くなっている。
新たな閉鎖コースでは、日興ロイヤルGC米沢C(山形県)と、ウィングフィールドGC(栃木県、買受会社は決定)、富士河口湖GC(山梨県、買受会社変更で再閉鎖)はいずれも破産のため閉鎖。サンマリーナ玉庭GC(山形県)は競売で閉鎖したが、今後の動向は不明。
Gパーク吉川GC(兵庫県)は競売等のため閉鎖したが、デイリー社(旧・ニチゴ)が落札し9月1日にも営業再開する予定。同系列のGパーク山南GC(同)は、継続営業は困難として7月10日から一時休業の状態となっている。
関連会社の破産で今年3月末から閉鎖している旧・グリーンハットウィンザーCC(岐阜県)は、既報通り裁判に決着が付き、新会社の運営で14ヒルズCCに名称を変更し、10月末にも再開場する予定。ザ・ビーチGC(沖縄県)は今年6月18日までに営業を終了、跡地には事業再生会社が大規模リゾート施設を整備する構想だ。
また六ヶ所CC(青森県)及び北の杜CC(山梨県、旧・清春CC)は、経営交代を機に閉鎖してコースの全面改修を行っている。六ヶ所では9ホールの増設にも着手、18ホールのゴルフ場として生まれ変わる予定。北の杜はこの9月3日に営業を再開するとしている。
その他、今回カウントしなかったが、民事再生で新経営となったチャーミング・リゾート都GC(山梨県)が1月から7月15日までコース改造のためクローズ、岐阜CC(岐阜県)と西宮CC(兵庫県)は今年1月10日から1ベントグリーン化のためクローズし、7月1日再開場した。
前回調査から引き続き閉鎖中のゴルフ場は、榛名CC(群馬県)や山陽チャンピオンズGC(岡山県)など8コースあるが、前回調査からほとんど事態が進展していない。ウィンザー・プリマドンナ・ハイパーGランチ(北海道)は、営業を再開しても集客が困難であると判断し今年の営業も見送っている。
破産の吾妻高原GC(福島県)は、地元の温泉組合が源泉保護のためコースの一部用地を買収、ゴルフ場営業の可能性は完全になくなった。
もっとも、平成17年2月の破産以来閉鎖している身延GC(山梨県)では、継承企業が地権者との契約を進めるとともにコース改修も実施しており、営業再開に向けて動き出している。ステイタス新函館GC(北海道)も継承希望先企業が来年の再開場に向けて動いているという。
以上の内、完全閉鎖となったのは、福島の吾妻高原GCと沖縄のザ・ビーチGC。また沖縄では石垣島GCが8月末までで完全閉鎖することが決まっている。
一方、増設中ゴルフ場調査では、前回調査と同様8コースが一度は工事に入って”建設中”だが、この1年間に工事を進めたり、増設コースを開場したゴルフ場はなかった。
増設計画の認可済みで未着工のコースは8コースで、前回より3コース減少した。これは、鹿沼72GC(栃木県)の増設許認可返上が判明、サンマリーナ玉庭GC(山形県)とザ・ビーチGCは閉鎖となったため。
その他は、ほとんど動きがなかったが、増設許認可済みの勝浦東急GC(千葉県)は、廃止手続きに入っていることが分かった。
過去に増設許可を取得していても、法的整理や経営交代により増設計画を見直したり、既設コースでの集客状況から判断して、工事に踏み込めない状況が続いている。
その他、上記に出ていないゴルフ場
↓↓↓ 平成28年12月20日追加
全国で閉鎖(完全閉鎖・一時閉鎖・一部閉鎖)したゴルフ場一覧、都道府県別に掲載
|