平成17年度のゴルフ場売買価格(任意売買代金、営業譲渡代金、、法的整理時のスポンサー拠出金、競売価額、不動産鑑定価額等含む)が判明した事例は計52件(既設52コース、内パブリック3コース)で、売買が成立した1件当たりの平均価格はほぼ前年並みとなっていることが、本紙の調べで明らかになった。
成立・不成立等の別なく、単純にその価格を集計すると、10億円以上の価格を付けたのは8件で全体の15・38%となった。前年度は57件中16件の28・07%だったので、比率は下がった。
しかし、50億円超でみると、前年度は推定50億円(ただし会員の預託金債務含む)で任意売買が成立した東京バーディC(18H、東京都)の1件だったのに対して、今回は東京ブランドという好条件もあり最高額の84億円(推定)で任意売買となった相武CC(18H、東京都)、約53億円でゴールドマン・サックス(GS)グループが落札したザ・サザンリンクスGC(18H、沖縄県、再生法)の2件だった。
以下、10億円以上を付けたのは船橋CC(18H、千葉県、任意売買)の推定30億円、飯能くすの樹CC(18H、埼玉県、破産)の28億1000万円、森永高滝CC(18H、千葉県、グループ内売買)の26億円、ニューワールドGC(現・仙台ヒルズGC、27H、宮城県、更生法)の約25億2000万円、フォレストGC(36H、新潟県、任意売買)の21億8408万円、広島紅葉CC(27H、広島県、任意売買)の14億7000万円となっており、これらは全て売買が成立している。
一方、最安値だったのは奈井江CC(18H、北海道、再生法)の3000万円で、この他に飯綱高原Gコース(9H、長野県)と白鳥CC(18H、福島県)の2件が1億円を割った。
全52件の1件当たりの単純価格は8億9392万円で、前年度の9億6315万円と比較すると、6923万円の下落となっている。しかし、売買が成立した43件の事例に絞り込んで1件当たりの価格をみると、今回は9億9564万円と10億円台に迫り、前年度の9億6713万円と比較すると2851万円アップしている。
ゴルフ場事業の拡大を積極的に進めている企業や、ゴルフ場企業のM&Aに関わっている関係者は「買収希望者が多くなり、採算を度外視して価格を付ける新興勢力が多くなった。
このためゴルフ場の価格は高騰し、手が出せない状況になってきた」、「ローンスター(LS)グループはゴルフ場買収資金を予算に組み込んでおり、入札などがあるとかなりの高値を付ける」などの”ボヤキ”が入っている割には、今回の平均価格は前年度並みだった。
ゴルフ場の格や立地面、売買時の状況、預託金を売買価格に算入したか否かなどの問題で、前年度並みとなったとみることもできる。
全52件の売却の原因や理由は、民事再生や会社更生、破産などの法的整理による売買(スポンサー拠出金・営業譲渡・売却等含む)が計31件(前年は57件中32件)、「任意売却」(グループ内の売買含む)が14件(17件)、「競売」が7件(5件)だった。
任意売却は、東急建設系や千趣会など上場企業の他に、長野県が飯綱町に売却した例、外資のLSグループが国内企業のオーナーに売却した例などがある。また、売買が成立した43件の売買形態をみると、会社売買が19件で、施設の売買が残りの24件となっている。
なお、バブル崩壊以降に売買等で価格が判明した事例330件強は、ゴルフ特信の資料集「2006年ゴルフ場企業グループ&系列」(5月18日発行、定価5000円=税込み、送料別=特信読者は送料サービス)に一覧表で掲載している。
その表では、売買価格やゴルフ場名等は勿論のこと、売買状況、買収企業・グループ名、会員の処遇、売買後のゴルフ場名等も掲載している。
問い合わせ先:一季出版(株)(東京都台東区浅草橋1-9-13 TEL:03-3864-7821)
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