事務局:井上記念病院 地域医療連携室
代表者:椎名伸充(井上記念病院 乳腺外科医長)
所在地:千葉県千葉市中央区新田町1-16 Tel043-245-8939
                   Fax043-245-8823
                       発行1(2019/3/25)

2018
年度
がんと言われて
目の前が真っ白になってしまったあの頃・・・
だけど、
病気になったからといって、決して悪いことばかりではないと思う。
乳がんという病気を乗り越えた人たちは、かつての思いをそのように語ります。
一人では立ち向かえない難題にぶつかったときに
仲間がいれば、
語り合うことができれば、
家族や子供たちに、夫や友人に、職場のみんなに対して
きっといつもの自分でいられるはず。
だから、この会を作りました。
私たちは一人ではない。
先輩や、先生や、看護師さんや、みんながいる。
あなたと私たちでこの会を作っていきましょう。

川上診療所 院長 川上義弘先生のこの言葉から「ももはな会」は生まれました。

私たちスタッフは戸惑いながらも、椎名伸充先生を中心に事業を運営してきました。悩むたびに川上先生のこの言葉を繰り返し思い浮べながら話し合いを重ね、前へ進んでいきました。
この会で一番大切な事。それは「あなたと私たちでこの会を作っていきましょう。」の言葉どおり、会員の皆さんの「想い」です。スタッフと共にひとつのチームとして「ももはな会」を作っていきましょう。
       *目 次*
事業年間計画・・・P2
2018年度事業報告・・・P3
聖路加サマースクールへの参加・・・P9
ボランティア活動(タオル帽子)・・・P9
2019年度の予定・・・P10
椎名先生より・・・P11
スタッフ紹介・・・P11
・参考資料・・・P12〜
<事業年間計画>
開 催 日 内     容
4月21日(土)
・井上記念病院 乳腺外科医長 椎名伸充先生講演
 「乳がん術後の生活について」
・グループ情報交換会
(開催場所:井上記念病院8F大会議室)

*参加人数:51名
6月23日(土)
・井上記念病院 乳腺外科医長 椎名先生と
 吉見泰子先生による運動講座
 「運動療法の重要性」
・健康体操(上半身メインのリハビリ)
(開催場所:井上記念病院)
*参加人数:40名
8月25日(土)
・千葉県予防財団所属ピンクリボンアドバイザー上級
 長島真理さんによる講演「検診の現状」
・メイク講座:提供 (株)スヴェンソン千葉スタジオ
(開催場所:井上記念病院)
*参加人数:40名
10月27日(土)
・NPO法人日本ヘアエピテーゼ協会認定サロン
Disfrute(ディスフルーテ)外見ケアリスト井戸亜由子さんによる講演&実演「抗がん剤治療の爪」
(開催場所:井上記念病院)

*参加人数:45名
12月8日(土)
・クリスマス&忘年会
(開催場所 そごう千葉店10Fブルジョン)

*参加人数:40名
3月9日(土)
・ お料理教室
「パンケーキを作ろう」
(開催場所:千葉市生涯学習センター)

*参加人数:36名



2018年度事業報告

第1回ももはな会 <4月21日土曜日>

私たちスタッフは、ハラハラドキドキ、そしてワクワクしながらこの日を迎えました。初めての講演会に初めての情報交換会。皆さんはどのように感じましたか?この記念すべき日のアンケート結果です。
※講演会内容は 
参考資料参照

*乳がんになって困ったことは何ですか?(一部抜粋)*
  • 抗がん剤の副作用でしびれがひどくて困っています。
  • 退院したその日はペットボトルの蓋があけられなかった。→友人が来た時、ある飲み物の蓋を全部あけてもらった。
  • 家族に心配をかけること。→甘えることにした。
  • 仕事との両立が大変。→家族に支えてもらい今日まで無事に生活している。
  • 精神的に少し辛くなったことも。→仕事、趣味に向かう。
  • 子供の将来が心配。
  • 再発が怖い。→友人が話をきいてくれた。
  • 転移 検査中も「大丈夫?」と聞きたくなる。→夫が話を聞いてくれる。
  • 子供が触ってきたとき「おっぱいない」と言われた。→経験者の話が一番元気になる。

*病気になってプラスに思えたことはありますか?
  • 何事にも結果が出た以上、仕方がないと思うことに。物事を前向きに考えるようになった。
  • 自分が病気になり初めてその方々の気持ちが身に染みて良くわかりました。これを仕事に活かせたらと思います。
  • 食事、睡眠時間など気を付けるようになった。
  • 一日一日を大切に過ごしています。
  • 食事(栄養)バランスを考えるようになった。運動の必要性を感じるようになった。
  • 私は「自分で絶対治る」と言い聞かせていました。
  • 家族に支えられている。検診が終わると必ず大丈夫?と聞かれる。
  • 術前より術後の方が精神的に強くなった。優しくなった。
第2回ももはな会 <6月23日土曜日>

 椎名伸充先生が「腋窩郭清後の生活について」、吉見泰子先生(井上記念病院 リハビリテーション科)が「運動療法の重要性」をテーマに講演下さいました。皆さんメモを取りながら聞いており、テーマに対する関心の高さを感じました。
 運動療法は、吉見先生にタオルを使って実演頂き、とても好評でした。
 ※講演会内容は 
参考資料参照
この会のアンケート結果です。(一部抜粋)

  • 参加してよかったです。いろいろな話が聞けて。参考になりました。
  • 今日は2回目。また、いろいろなお友達にもめぐり逢い、大変勉強になりました。
  • 運動は大切な事だと思いました。できるだけ歩こうと思います。
  • とても良かったです。勇気をいただきました。ありがとうございました。
  • 先生のお話も大変聞きやすくて良かったです。体操の実技も分かりやすかったです。
    家でもやろうと思いました。皆さんとのお話もいろいろ聞けて良かったです。
  • 運動療法の重要性がすごくわかりました。
  • 情報交換は大切だと今日思いました。 もっと色々お話できるといいと思います。

第3回ももはな会 <8月25日土曜日>

 長島真里先生(公益財団法人ちば県民保健予防財団 超音波技師 ピンクリボンアドバイザー上級)が「乳がん検診の現状」について、(株)スヴェンソン 千葉スタジオの大谷秀己様が「メディカルメイク・ウィッグについて」をテーマに講演・実演頂きました。長島先生は乳がん検診の現状を画像を使用し大変わかりやすく教えて下さり、検診の大切さを認識しました。「予防財団検診バスの中の画像」など、普段知りえない内容もあり、好奇心が刺激されました。「メディカルメイク・ウィッグについて」は、NPO法人メディカルアップアソシエーション事務局長 小井塚千加子様の力をお借りし、実際にメディカルメイクを体験し、ウィッグを試着しました。小井塚様は、「メディカルメイクアップという技術に出会い、人生が変わった」というご自身の体験談も交えながら、メディカルメイクの本来の意味、「重要なのは気持ちを変えること。メイクアップはそのきっかけに過ぎない」と教えて下さいました。 
 ※講演内容は 
参考資料参照

この会のアンケート結果です。(一部抜粋)

  • 女性の11人に1人が乳がんにかかると聞いて驚いている。
  • 自己検診の大切さ検診の大切さを感じました。
  • 予防財団検診バスはみんな女性で構成されているのですね。
  • (メディカルメイク)とても自然にカバーできていてビックリしました。乳がんの体験されている方のお話も聞くことができ、とても良かったです。
  • 自然の仕上がりで感動した。ぜひ他の人にも教えてあげたいと思った。価格も高くないというのを、もっとアピールしていけばと思った。(化粧品は高いイメージ)
  • 顔色が悪く、元気のない時にやることで、少しでも気持ちが和らぐのではないかと思います。丁寧に優しく説明してくれました。
  • 顔のシミが消えてビックリしただけでなく、腕のシミまで消えてお風呂に入っても落ちないとの事で更にビックリしました。
  • 先生のお話を伺い、気持ちを理解することが大切だと感じました。
  • 肌が弱くて少し不安でしたが、きれいに隠せました。心配していた痒みもありませんでした。

第4回ももはな会 <10月27日土曜日>

 「ネイルについて」〜抗がん剤における副作用とケアについて〜をテーマに、NPO法人日本ヘアエピテーゼ協会認定サロン 再現美容アトリエDisfruteから井戸亜由子先生を講師に招きました。井戸先生は神奈川県相模原市に住んでいるので事前の打ち合わせは、メールや電話などで何カ月も前から準備をし、本番に挑みました。当日は会場に入りきれないほど多くの方にお集まりいただき、大盛況でした。実演のネイルオイル作りは、会場中アロマオイルの香りに包まれて癒しの時間となり、皆で一緒に作成したネイルオイルはお土産として持ち帰りました。井戸先生、ご準備ありがとうございました。
※講演内容は 
参考資料参照

この会のアンケート結果です。(一部抜粋)

  • 爪のケアについてとても勉強になりました。ありがとうございました。治療中は本当に爪が黒くなったり大変でした。ケアは大切だなとおもいました。
  • 爪に縦線や色が出てきた時でしたので、ケアの仕方が分かりありがたかったです。自宅でゆっくり癒しの音楽BGMを流し、爪やすりで整えたりマッサージをしながら香りを楽しんだり心豊かになる時間を楽しみたいと思います。
  • オイルがとても良い香りで、癒されました。これから毎日マッサージを習慣にしたい。
  • マネキュアが苦手でしたのでオイルで指先をマッサージして綺麗な爪になるのが良かったです。

理学療法士 吉見先生による
ミニ運動で更にリフレッシュ♡
第5回ももはな会 <12月8日土曜日>

 千葉そごう10階にある野菜ビストロ&カフェ「ブルジョン」を会場にクリスマス会&忘年会を開催しました。前半はチーム対抗クイズ大会です。クイズの内容は過去の講演会からの出題、横溝十誠先生と椎名伸充先生に関する出題、全11問で競いました。先生方の意外な一面が垣間見れて、笑いの絶えない楽しい時間になりました。
 その後、お食事&おしゃべりタイム、後半のビンゴ大会を行いました。ビンゴの景品をサンタさん(横溝先生と椎名先生)から受け取り、とても盛り上がりました。
 後日、会員の方が「クリスマス会、本当に笑っちゃったわ!」と話して下さり、嬉しい気持ちと笑顔を私たちにプレゼントして下さいました。
<横溝先生の乾杯からスタート>
<クイズ大会の様子>
<横溝先生と椎名先生のけん玉勝負>
<ビンゴ大会の様子>
<サンタさんからプレゼント>
第6回ももはな会 <2019年3月9日土曜日>

 (株)LEOCから講師をお招きし、栄養学を学んだ後にグループに分かれパンケーキ作り開始!個性豊かなパンケーキが出来上がりました。みんなで食べつつ、椎名先生に「乳がんと食事について」を講演いただきました。ぎゅっと凝縮された2時間、あっという間に時間が来てしまいました。みんなで作って食べるとおいしいですね。
  ※講演内容は 
参考資料参照

この会のアンケート結果です。(一部抜粋)

  • グループ分けで色々な方とお話ができるので、こういう内容も良いと思います。先生のお話もありOKでした。時々、歌なども歌いたい。
  • 材料、用具などの確認や説明・手順など改善の余地あり
  • 豆乳クリームを泡立てるのが大変だった!
  • 楽しいひと時が過ごせました。この日のために体調を整えました。質問等を聞いていて野菜の大切さ を考えました。皆さんで作るのは楽しいです。
  • 乳がん術後の生活・運動について情報交換とかしたいです。
  • 毎回楽しく過ごさせていただいています。アンケートは落ち着いて書きたいので、後日送ることを望みます。
  • 今日も話題になりましたが、食べ物のことが毎日気になっているので一度食べ物に関しての講演などして頂きたいと思います。
  • 食事・運動などの生活、治療やリンパ節に関するもの等勉強できれば幸いです。また、今回のような楽しい講座も会員の方やスタッフの方と交流でき、とてもうれしく思います。今後も楽しみにしています。

聖路加サマースクールへの参加

9月8日(土)〜9月9日(日)の2日間、聖路加国際病院ブレストセンター・オンコロジーセンター・遺伝診療部・女性総合診療部が主催する、聖路加サマースクールへ参加しました。
がんのクリニカルシーエンスが国を挙げて行われるようになり、二次的所見として、遺伝性腫瘍が見つかる可能性があります。また、薬物療法の効果予測因子としてgerm lineのコンパニオン診断も用いられるようになります。そのような時代の流れの中、遺伝子腫瘍と診断された方へ寄り添える診療現場をともに築いていきましょう!の呼びかけのもとに開催されました。一日目の主な内容は、聖路加国際病院のHBOC診療について・リスク低減手術の実際・BRCA以外の遺伝子症候群・フォローアップ体制などの講演。二日目は、症例検討・グループワークを行いました。

<懇親会の後、記念撮影を行いました。>
ボランティア活動(タオル帽子)

 千葉市生涯学習ボランティアの会「タオル帽子」代表 坂元式子様の呼びかけのもと、ももはな会は、タオル帽子活動に賛同致しました。
 ももはな会開催時に、タオルを集めて「タオル帽子」へ寄付をしたり、「タオル帽子」のポスターを乳腺外科の掲示板に飾ったりしています。
 井上記念病院乳腺外科では、希望の方にタオル帽子を差し上げています。手縫いで丁寧に作成された「タオル帽子」は肌触りが良く洗濯もOK!なので、とても重宝しています。ボランティア活動「タオル帽子」の会の皆様に心から感謝致します。

2019年度 今後の予定

2019年度は、4月20日(土)の総会からスタートします。この日の予定は、総会の後、椎名先生の講演会とグループワーキングを予定しています。
今後の詳細は総会にて報告いたします。
現在、来期の事業案として、講演や実演などの企画を計画中です。お楽しみに・・・


ももはな会 代表 椎名伸充先生より

「とても笑ってしまいました。」「前からこのような会があればと思っていたんです。」最近、ももはな会に参加した患者さんが外来でこのような嬉しいことを話してくれました。ももはな会が始まって1年が経ちました。患者さんが笑顔でいられるような会にしたいという気持ちで始めましたが、もちろん最初は不安もありました。しかし会を重ねるにつれ患者さんの表情もサポートする医療者の表情も徐々に和らいでいくのを感じ安心しております。
 乳がんを通して私たちは出会いました。いろんな悩みがあっても、周りに相談できる仲間がいると気持ちがしっかりするものです。また乗り越えようと向き合ったときに自分自身の強さや周囲の優しさに改めて気づかされるものです。これからがむしろ心豊かに過ごせるように、ももはな会は皆さんにとってそういう場所でありたいと思います。
 皆さんのたくさんの笑顔が見られるように来年度も楽しく、役立つ企画を続けていきたいと思います。是非、皆さんからもご意見をお聞かせください。来年度も宜しくお願いします。
スタッフ紹介
井上記念病院乳腺外科医長
椎名 伸充先生
「ももはな会」代表
川上診療所 副院長
横溝 十誠先生
川上診療所 医療事務
ピンクリボンアドバイザー上級
安川 直美
井上記念病院 地域医療連携室
主任 小川 裕美
井上記念病院 外来看護師
主任 小林 真理
井上記念病院 外来看護師
新井 明美
川上診療所 看護師長
黒岩 ゆかり
井上記念病院
リハビリテーション科
吉見 泰子