北海道のシャムロックカントリー倶楽部(昭和59年に開場、千歳市柏台1390-3、TEL:0123-22-2111、経営=シャムロック興業(株)、武石忠俊社長)は預託金の返還対策として、20年5月から「預託金の永久債化」を会員に要請してきたところ80%以上の同意を得たことが判明した。
→ 預託金の永久債化とは、意義
預託金の永久債化の提案自体は全国的に平成12年頃から行われており、同じ北海道では株主会員が主体のオホーツクカントリークラブが同年5月に永久債化(預託金の返還時期を会社が解散する時)を提案し、預託金返還問題を解決した例がある。
千葉県の富里ゴルフ倶楽部やカレドニアンゴルフクラブでは、中間法人(現・一般社団法人)を活用して永久債化を行い経営を改善させている。また、岐阜県の美濃白川ゴルフ倶楽部飛水峡コースのように民事再生後に継続会員の頂託金を永久債化したケースもある。
逆に、埼玉の奧武蔵カントリークラブ(現・武蔵の杜CC)や大阪の箕面ゴルフ倶楽部など、永久債化に着手しつつも、成功に至らず法的整理に入ったゴルフ場も全国で10コース以上ある。
シャムロックCCの預託金返還問題は最初に平成11年に発生したが、当時は据置期間の10年延長と株主会員制ヘの移行を決め(ほとんどの会員が措置延長に応じた)、希望会員には預託金と相殺する形で、100万円の株式を無償で提供した。
しかし、株式へのの転換を希望する会員は少なく現段階で株主会員は約270名、預託金会員は約1400名となっている。その預託金会員の10年延長後の据置期間が今年5月に満了。このため、永久債化することを会員に案内したもの。
同CCでは、「預託金の返還を求める会員はほとんどいない。預託金の株式転換の提案も継続しており、今でも要望があれば預託金を株式に転換する」と話しているという。
同CCの預託金総額は約13億円で、1口当たりの預託金額は650万円だが口数が少なく、ほとんどは60万円、70万円。北海道内の会員が多く、会員は同CCの提案に理解を示しているようだ。
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