不動産開発事業等のゼクスグループは、ゴルフ場経営から撤退を決め系列ゴルフ場5コースの内4コースを(株)アコーディア・ゴルフ (東京都渋谷区、TEL03-6688-1500、竹生道巨社長)に売却することか明らかになった。
2月28日夕刻に両社が発表したもので、東証一部上場の(株)ゼクス(平山啓行社長)の100%子会社・(株)チャーミング・リゾーツ(坂本正浩社長)か保有する各ゴルフ場会社の株式をアコーディアに譲渡する形で売買される。
すでに、2月29日には”チャーミング・リゾート”を冠にした、ワイルドダックCC(18H、茨城、経営=(株)チヤーミング・リゾートワイルドダック、売上高3・67億円)、藤岡GC(36H、群馬、(株)チャーミング・リゾート藤岡、5・74億円)、関越ハイランドGC(27H、群馬、(株)チャーミング・リゾート関越、5・03億円)の株式譲渡を行っており、これら会員制3コースは3月からアコーデイアのグループ傘下となった。
また、4月中には年間会員が在籍するチャーミング・リゾート那須グリーンコースC (27H、栃木、(株)チャーミング・リゾート那須、2・68億円)の株式譲渡を行う予定となっている。
ゼクスは、今回のゴルフ場事業からの撤退の理由について「社会経済の状況を踏まえ、事業の選択と集中により、財務体質をより筋肉質にすること」と説明している。また、那須グリーンコースCを除く3コースの売却で24億円の売却益が確保できる見込みと発表している。
一方で、これまで進めてきたシニア住宅優待申込権付ゴルフ&リゾート会員権「C-ステージ・メンバーシップ」等の事業を解散、入会者の費用全額を返還することから、約7億円の特別損失が発生するとしている。
会員の権利・義務は、各ゴルフばの経営会社の株式の譲受ということから変更ない。ただし、ワイルドダックCCは、ゼクス入り後の補充募集で入会した会員(100名強)に対しては、入会者の負担金全額(入会金、年会費、消費税等含む)を返還するという。
なお、チャーミング・リゾート都GC(18H、山梨)はアコーディア入りはしない模様だ。
→平成20年3月27日付けで、株式会社ジェイゴルフの譲渡
一方、計4コースを取得するアコーディアでは、ゴルフ場名の変更を検討している。”チヤーミング・リゾート”の冠を外す他に、一部その他の名称が変更となる可能性もある。
ちなみに、ゼクスは民事再生手続中だった経営会社から那須グリーンコースCの事業護渡を平成15年7月に受けてゴルフ場事業に初進出。その後は次々に法的整理のゴルフ場企業のスポンサーとなり、系列ゴルフ場数を5コース(他に関連ゴルフ場が1コースあった)に拡大した。
ゼクスがゴルフ場事業に初進出した平成15年前後は、新規事業として、また投資目的にコルフ場経営に乗り出す国内企業が出始めた時期。その後、同様な目的でゴルフ場事業に参入する企業が相次いだ。
しかし、大手ゴルフ場経営会社では「特にファンド系の新興勢力は、サブプライム問題の間接的な影響から撤退せざるを得ないところもある。ゴルフ場業界は再々編成に入っている」と断言。
ゼクスと同様に、ゴルフ場事業から撤退する新興勢力が出てくる可能性があるとみられる。
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