既報通り18年10月2日に東京証券取引所から上場承認を受けた、ゴルフ場運営大手の(株)アコーディア・ゴルフは、上場申請の有価証券報告書で、業績や今後の見通し等を明らかにした。
同報告書によると、同社は主に会社更生・民事再生を申請した会社の買収により、運営ゴルフ場を増加させ、収益を改善させてきた。
経営改善に当たっては、”It’s a new game(カジュアルで楽しいゴルフ)”をブランドコンセプトとし、”Accordia(調和と誠心誠意を意味する言葉の造語)”という統一ブランドの下、顧客の立場に立ったゴルフ場経営を目指しているという。
そのコンセプトを体現するサービス4原則が、@科学的な管理手法を導入して品質の高いコースコンディションの維持に努める、A18ホールスループレーなど多様なプレースタイルへの対応及び適切な価格での提供、Bゴルフ量販店並みの低価格と品揃えによるプロショップの充実、Cレストランメニューの充実・・・・で、これらを徹底するとともに、これら統一したオペレーションを早期に導入することによるゴルフ場再生のノウハウを有している。
加えて、管理資材に集中購買、経理・人事・会員管理機能の本社への集中等により効率的な経営に努めていると報告している。
また、ゴルフ場会員の会員価値の向上を目指すとともに、顧客層の拡大、活性化のために40歳未満向けの割引制度の導入やシニア・レディス対象のイベントを実施している。
平成18年5月末現在のグループゴルフ場の会員数は20万9291名で、会員及び一般客に発行しているポイントカードは131万9847名に及ぶとしている。
業界の業績については、ゴルフ人口の減少等から市場の供給過多の状況は解消されているとは言い難い状況と報告。もっとも昨年の全国の入場者数は冬季の降雪による落ち込みはあったものの、4月以降は順調に推移、通年ではほぼ前年まで回復したと認識できるとした。
さらに女子ゴルフに牽引される形でゴルフの関心が高まり、ジュニア、女性など新たなゴルフ人口の創出も期待できるとしている。
平成18年3月末のゴルフ場運営事業所は、91コース+1練習場(17年同期は82コース+1練習場)で、年間入場者数は469万人(前年同期375万人)、1ゴルフ場当たりは5万3807人(5万2204人)と順調に推移し、平均顧客単価もほぼ前年並みの1万1145円(1万1158円)と、下げ止まり傾向にあると分析している。
16年4月時点から運営する48コースだけでは、1ゴルフ場当たり5万5102人(5万3280人)、顧客単価1万1507円(1万1482円)で推移しているという。
今後対処すべき課題としては、これまでのように破綻した会社のゴルフ場を一度に多数取得できるような案件は想定しがたいとして、運営受託や管理など一部業務受託による営業基盤の拡大も予定しているという。
なお、役員、執行役員等には1株に付き1円ないし13万5000円による新株予約権(ストックオプション)を付与している。またこれまでゴルフ場の多くはゴールドマン・サックス(GS)グループを通じて取得または運営受託しているが、今後も同様の協力関係を維持する方針(平成21年3月31日を期限として業務提携の合意書締結、以後は1年毎更新)。
株式公募する5万株で調達する資金は手数料を除き90億円(公募想定価格18万5千円で試算)を想定、これは新規ゴルフ場の買収に充てる方針だ。
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