6.各地の取り組み方


 インターネットは距離と時間をなくす情報システムとされる。距離の負担がなくなる社会では、地域にとって「情報政策」は不要になるのだろうか?決してそうではなく、むしろこれまで失敗してきた「情報政策」が、本当に意味を持つ時代を迎えていると言えよう。そこで、これまで「先進地」とされてきた地域を中心に、どんな取り組みがされてきたかを見ながら、「地域情報化」の意義を考えてみたい。

◆岡山情報ハイウェイ

 都道府県の情報化政策の中で、筆者が現在、他の地域のモデルになると評価しているのは、岡山情報ハイウエイである。評価の根拠は後述するとして、まずその概要を紹介する。

◇岡山情報ハイウエイの概要

 
◇原動力は建設省から出向の若手課長  
◇岡山情報ハイウエイの評価  

◆高知県情報生活維新「KOCHI 2001 PLAN」

 橋本大二郎知事がリードする高知県も、情報化に熱心に取り組みだした県として注目されている。
その橋本知事が2期目途中の1997年度から取り組んだのが、情報化によって新しい社会経済システムを作ろうという「社会実験」の高知県情報生活維新「KOCHI 2001 PLAN」だ。
 県民、民間企業、大学、国、県や市町村等々、幅広い分野の連携・協働で、地方からの新たな社会経済や生活のあり方を提案する「情報生活維新」を目指す、というもので、97年度からの5年間の計画になっている。
具体的には、▽過疎化、高齢化地域の新しいライフスタイルの樹立▽97年4月開学の高知工科大学を中心とした産・学・官の連携による産業振興▽情報化を手段とした地方の活性化の手法の開発▽中央との、あるいは県内での遠隔性の克服を目指し、生活者の視点にたった横断的な情報化――の4つの考え方に基づいて、
10項目のプロジェクトを展開している。

◆岐阜県

 現在3期目の梶原拓知事の強い指導力で情報化に力を入れているのが岐阜県だ。梶原知事は建設省出身だが、岐阜県副知事に就任した1985年に『都市情報学』『道路情報学』(いずれも、ぎょうせい刊)といった著書を出すなど、早くから情報化に関心を寄せてきた。詳細

◆後れ取る広島

 以上は「先進地」の3県を点検したが、呉大学の地元広島県は、情報化への取り組みはかなり遅れている、といわざるを得ない。詳細


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