ゴルフ会員権相場やゴルフ場の会員募集は、平成19年秋以降再び低迷期に入った。
関東ゴルフ会員権取引業共同組合が発表している関東地区のゴルフ会員権の平均相場は、21年末に205・3万円となり、20年同期より約4%値下がりし、21年3月のバブル崩壊後の最安値192・5万円よりやや戻したが、最安レベル。関西の平均相場に至っては21年末の118万円が最安値で、関東と比べても低迷が続いている。
会員募集は、関東の会員権相場が回復した18年から19年にかけて活発になったが、リーマンショックもあって19年秋以降は苦戦が続いた。
ゴルフ業界のブームを象徴していたのは、かつて会員権の高騰やゴルフ場の建設ラッシュであったか、今はその面影もない。ゴルフブームであっても会員権の人気やゴルフ場建設に結びついていない。
この背景には法人需要が少なくなった上、会員権購入の中心世代である40代や50代で所得が伸び悩んだこと。しかも会員の特権である休日の優先予約権の希薄化やプレー料金の低額化が会員権需要を減退させた。
ゴルフ場も収益増につながるビジターの集客を優先させ、割引券が付いた無料プレー雑誌やインターネット予約の登場で、それを加速させた。
これらツールが今のゴルフ場の活況ももたらしているが、ゴルフ場が会員のゴルフライフや競技会を充実させるサービスを提供する原点に立ち戻ることも必要だ。
経営交代も17年の170コースをピークに昨年は半減以下の73コースとなっている。買収できる魅力あるゴルフ場が少なくなっただけに今年も減少傾向。
会員権相場は需給の他、景気次第なので流動的だが、会員権の資産価値・購入動機材料(コース内容、立地条件、経営母体、経営の透明性、会員の特典、友人・知人が在籍、競技会が活発等)を磨かなければ、ニーズも高まらない。法的整理で再生したゴルフ場でも評価が上かれは会員権購入ニーズも生まれる。
▼ ゴルフ業界は創意工夫でデフレ圧力の克服を
▼ 料金高い、オヤジくさい等のイメージを一新へ
▼ 環境問題は継続の課題、ゴルフ場の特性も生かせる
▼ 倒産・経営交代のゴルフ場の減少は今後も続く
▼ 会員権相場は低迷続く、個人ニーズの掘り起こし必要
▼ 用品業界はカジュアル化をさらに進めた商品開発を
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