既報通り、前経営者が経営株を売却し、17年2月に経営陣が交代した船橋CCだが、会社側と会員理事会で長年続いていた訴訟が17年12月に東京高裁で和解したことが分かった。
クラブ側と経営側との対立は度々起こり、今回はクラブ側が年会費の値上げ等を巡り平成11年に会社書類の閲覧等を求め、提訴していた。当初はクラブの当事者能力が問われたが、平成14年6月の最高裁で「クラブは”法人でない社団”」と認め、裁判は東京地裁に戻された。同地裁は既報通り17年1月末、クラブ側の主張を認める判決を下したことから、会社側が控訴していた。
東京高裁の和解内容は、
@ 平成12年8月以降に作成された各文書の閲覧及び謄写を18年2月までさせる、
A 会員の入退会では理事会面接を再開させる、
B 会社とクラブで各4名、計8名による経営委員会を設置し、会員のクラブライフの充実と向上の
ため必要な課題を協議する、
C クラブ運営予算を検討の上、会社側が支払う、
・・・・等。
既に経営委員会では、ビジターの日祝日プレー枠や料金など会員の利用向上に関して取り決める一方、長年据え置いていた会員年会費の見直しにも着手した。
この和解成立を受けて、(株)船橋カントリー倶楽部の大島英俊代表取締役は、17年12月吉日付けで就任の挨拶を兼ねて会員に通知し、
@ 昨年2月に故高橋治則氏が船橋CCの株式を保有していた浅井家より全株式を取得し(大島氏が)
経営に当たるよう要請された、
A 会員と会社の関係を正常化するために5月から和解交渉を開始し、9月に「和解案」の合意を得て、
11月22日開催の会員総会で満場一致により「和解案」が承認され、12月2日に東京高裁で正式に
裁判上の和解が成立した
・・・と報告。
理事会と協力し合って倶楽部を発展させたいとし、会員に協力を求めた。
大島氏は本紙の取材に対し、「所有権移転の最終決済が5月20日だったため、会員の挨拶が遅れた。ゴルフ場の価値を高めるため透明性の高い経営を行いたい」と語っている。
EIEグループを率いた高橋氏が投資会社(英バージン諸島)で取得した株式は高橋氏の死去(17年7月18日)後、交流のあった2社(ジャスダック上場のオメガプロジェクト・ホールディングス(株)57.25%、ユニオンホールディングスを幹事会社とする投資組合42.75%)が取得したという。
今回の株主2社は隣接のショートコースを含め傘下に収めている。主体となったオメガは映画製作等に投資を行うとともに、伊豆シャボテン公園等を経営する関連会社が伊豆スカイラインCC(18H、静岡県)を傘下に収めるなどレジャー施設への投資も拡大している。
なお、クラブの加藤清副理事長は「クラブの主張が認められた。クラブが経営を監視してより良いクラブにしていきたい」とかたり、今回の関係正常化で「例え経営が代わっても会員の権限は守られる」と今後に期待を寄せている。 |