Town_04遠い町~原風景の旅
大王崎
大王崎は坂道と、石の塀と、絵描きの
町だ。
夏の強い日差しが路地に反射して人を寄
せ付けない。
冬の吹き付ける強風から守るための要塞
のような石の塀が連なる。
そんな町の雰囲気に興奮して石段を上が
ったり下がったり岬に行ったり港に行っ
たり汗だくだくになって夢中になって写
真を撮った。
しかし行く先々に木村先生がいた。
そして言われた。
「ご苦労さん」
なんかいつも先生の手の中で遊んでいる
ようだった。
そんなことを思い出す。
そして今はもう先生はいない。
しかしずっと私の心の中に生き続ける。
「もっとたくさん写真を撮れよ。」と声
が聞こえる。