富士山の写真を撮りに来た。
その頃はひたすら富士山だった。
千枚小屋に泊まって夜中の３時ごろ千枚岳頂上に向かう。
朝焼けの富士山を期待して待つ。
そして日中は雲の変化を気にしながら頂上にとどまる。
３０００ｍでのお昼寝である。
あるいは時間はたっぷりあるので悪沢岳まで散歩に行って帰って来る。
しかし夕方はまた千枚岳から夕焼けの富士山を狙う。
そして暗くなってやっと小屋へ下る。夕飯はインスタントラーメンを食べ明日のために早く寝る。
そしてまた３時に起きる・・・。
こんな生活が３日間あった。
会社も家庭も忘れてしまうほどの危険な時間がかつてそこにあった。

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