ゴルフ場が各地で競売にかかっている。東北地方では軽米カントリークラブ(27H、岩手県九戸郡軽米町)が競売にかかり、3月下旬に東京の関係者が入札した。同ゴルフ場の最低売却価格は5億800万円だった。落札した側が競売の代金を支払ったかどうかは不明だが、現地では「関係者はまだコンタクトしてこない」という。
同CCの価格は関東の18ホールのゴルフ場並み。年間で約3万5000人の利用者があることから、キャッシュフローは出るといわれてる。同じく、岩手県九戸郡にある18ホールのゴルフ場も、外資系の申立で3月に約3億8000万円の最低売却価格で競売になったが、こちらは入札者がいなかった。
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前述の通り、競売にかかっていた軽米カントリークラブは、新経営会社により平成17年6月1日から「軽米フェニックスカントリークラブ」に名称を変更した。
同CCでは最低売却価格5億800万円で競売にかけられ、3月下旬に東京の投資会社・(株)フーチャーインベストメント(永田仁社長、資本金1031万円)が約7億4500万円で落札した。
同社ではこれまで同CCを経営してきた(株)日本ライベックスと4月下旬に譲渡契約を締結。新たに設立された(株)バーディアセットマネジメント(栗原茂代表取締役、本社・東京都、資本金3000万円)と業務委託契約を結び、新会社が6月1日から現地従業員約90名を引き継ぎ、運営に乗り出した。
既存会員には、5月に経営母体の交代を通知しており、約4000人の正会員の預託金返還請求権は消滅するが、2年間は会員としてプレーを受け入れるという。また、登録料30万円の納付で新会員権に切り替える。同登録料でコース改修工事等に充てるとしている。
6月から新たに就任した杉山抑支配人は「関東近郊のゴルフ場とは違い、コンペの需要が多くキャディも多く抱えている。営業方針は劇的に変化するのではなく、収益も考えて徐々に見直していきたい」と話している。
同CCは平成3年に開場。経営していた(株)ライベックスは平成9年に2回目の不渡りを出し事実上倒産。その後、和議申請や取り下げ等を繰り返したが、会員有志や一部債権者が協力して運営を支えてきた。新たな経営母体が決まったことで(株)日本ライベックスは精算する。
ちなみに、同投資会社によるゴルフ場事業投資は初めて。実質、8ヶ月の営業で約3万5000人の入場者があることから収益も考えて落札したようだ。
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