4000万円以上の申告企業数、2年連続の「増加」
平成17年のゴルフ場企業申告所得、前年比7社増加の68社に

　先ごろ公示された平成17年の法人申告所得（税務署が公示した税法上の所得）によると、ゴルフ場企業（ゴルフ場経営がメインの法人）で、17年に4000万円以上の所得を申告した企業数は68社（本紙で抽出）となり、16年に比べ7社、11・48%の増加となった。

　ゴルフ場企業の公示数は、本紙が集計を開始した昭和54年は111社で、バブル時にピークとなった後、平成15年には58社まで落ち込んだが、今回で2年連続の増加。特に伸び率は平成2年の14％増加以来の2桁の増加となった。

　ランキングに登場した68社の申告所得総額は132億8500万円で、16年の102億3500万円と比べ30億5000万円、29・80%の増加となった。1社平均の所得額は1億9500万円で、16年より2800万円、16・44%の増加。この1社平均所得額は過去10年で14年の1億9000万円を上回るトップの水準となった。（下表参照）

　ランキングを見ると、17年は17億5200万円の申告所得で潮来ＣＣ（茨城県）等経営の新日本観光（株）（糸山英太郎代表、東京都）が1位となった。同社は16年と比べ約5億円の申告所得減となったが、3年連続で1位を保った。同社は平成4年から9年まで6年連続のトップも記録している。

　2位も昨年と同様に、桜の宮ＧＣ（茨城県）を経営する緑化開発（株）関連の（株）桜の宮（安蔵修一代表、茨城県）で、所得額も7億6400万円増の12億7500万円となった。同社は12月期決算で、昨年12月以降は所得が公示されていないため、一昨年12月期の所得額（表中では☆で表示）でのランクインとなった。

　3位はゴールドマン・サックス（ＧＳ）グループの（株）アコーディア・ゴルフ。今回も変則決算（表中は☆で表示）により12ヶ月分に換算されて公示され、所得額は11億1800万円増加の12億1100万円となった。

　以下、4位も変則決算ながら有限会社天ヶ代ゴルフ倶楽部（但し、天ヶ代ＧＣは既報通り17年3月から大日本インキ化学工業（株）の直営となっており、公示会社は1ヶ月のみ経営にあたった）、5位は平成13年からオリックス・グループ入りしたアドニス開発（株）（アドニス小川ＣＣ経営）となっている。

　2年連続で4000万円以上の所得を申告したのは68社中41社で、所得増加は17社、減少は24社となっており、アコーディア・ゴルフの他、新規ないし久々にランク入りした企業の所得が全体を押し上げた。

また、複数ゴルフ場を所有・運営する企業では先の新日本観光等の他、（株）さいたまリバーフロンティア12位、加森観光（株）15位、（株）ロイヤルヴィレッジＧＣ26位、ＭＴゴルフマネージメント（株）31位、市川総業（株）37位、（株）東武スポーツ58位などがランクイン、ゴルフ場急拡大のロイヤルなど新興企業も台頭している。

　持株会社が昨年12月に東証一部に上場したＰＧグループでは、ＰＧＭなど中核企業等は公示されず、（株）川越グリーンクロスの1社しか見あたらなかった。

　法的整理、経営交代、新規参入企業の台頭と、ゴルフ場企業は変転が激しくなっており、所得面でも今後変動が激しくなりそうだ。もっとも、国税庁は個人・法人の高額所得者の公示を取り止めており、所得面でランキングを作成するのは今後難しくなる。