那須小川ゴルフクラブが民事再生法を申請

　那須八溝物産（株）（資本金9090万円、那須郡那珂川町三輪1283、代表篠崎暢宏氏、従業員41名）など3社は、1月17日に宇都宮地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令および監督命令を受けた。

　申請代理人は御山義明弁護士ほか2名（東京都中央区日本橋3-8-9、電話03-6225-2557）。監督委員は安田真道弁護士（宇都宮市西大寛1-5-13、電話028-614-8383）。

　那須八溝物産（株）は、1966年（昭和41年）9月にゴルフ場運営を目的に設立され、69年に「那須小川ゴルフクラブ」をオープン。同ゴルフ場は1982年から20回連続で女子プロゴルフトーナメントを主催するなど高い知名度を得ていた。

　73年には「南平台温泉ホテル」を開設。さらに88年頃には日帰り温泉施設「南平台観音湯」をオープンするほか、ゴルフ場の36ホールへの拡大などして、96年12月期には年収入高約33億2700万円を計上していた。

　しかし、バブル崩壊後はゴルフ人口の減少などで業績は徐々に落ち込み、銀行借入や償還期限を迎えつつあった預託金の償還問題により深刻な経営不安状態に陥っていった。

　このため、メーンバンクと協議を重ね、再建策を協議、実施してきたことで、2005年以降はゴルフ場、ホテル業等は営業黒字転換を果たしていた。

　一方、銀行借入と預託金については、私的再建手続きの実施も視野に入れながら検討していたが、2009年に入り、過去に分割による償還繰り延べを行った会員権の期限が到来、一部会員より預託金返還訴訟が提起され、今後も複数の訴訟提起がなされる見通しが確実となったことから、今回の措置となった。

　なお、関係会社の（株）南平台観音湯（資本金3000万円、那須郡那珂川町小口1719、同代表）と、（有）ろくはら（資本金300万円、宇都宮市簗瀬町813-6、同代表）も同時に民事再生法の適用を申請した。

　負債は那須八溝物産（株）が約67億円（うち金融債務41億円、預託金約23億6700万円）、（株）南平台観音湯が約2億6800万円、（有）ろくはらが約5億1500万円で、3社合計で約74億8300万円。

　なお、現在ゴルフ場、ホテル共に平常通り営業を続けている。

　預託金償還問題等により、今年1月17日に宇都宮地裁へ民事再生法の適用を申請した那須小川ゴルフクラブ（栃木県那須郡那珂川町三輪1283、ＴＥＬ：0287-96-2121）の経営会社・那須八溝物産（株）（住所＝同、代表篠崎暢宏氏）など3社は、このほど再建計画案（7月14日作成）をまとめ、会員を含む一般債権者に送付した。

　再生計画案の概要は下記の通りで、

　計画案は、自力再建かつ収益弁済型で、ゴルフ場及び南平台温泉ホテル事業は引き続き経営改善を行いつつ営業し、長期事業収益により再生債権者等の弁済原資及び事業資金の確保を企図するもので、現代表の篠崎暢宏氏は再生計画認可決定確定後（しかるべき時期）に退任し経営責任を果たすという。

　那須八溝物産（株）発行の株式（9090株）は100％減資し、新に発行する株式（9090株から篠崎暢宏氏の自己株式466株を除く）を取得（新株主は栃木県を中心とする地元経済界においてしかるべき経営能力、人格見識を有する方で役員にも就任）する。

　また、別除権に関しては適正な評価額を金融機関との間で合意確定し、評価額相当額を弁済して別除権等を受け戻す内容の協定を締結する予定で現在交渉中、理解を得られる見通しと説明。

　一方、会員及び一般債権者に関する弁済条件は、

　　退会会員及び一般債権者へは、

　　　・確定債権額1万円以下の部分は100％の弁済

　　　・1万円〜3億円以下の部分は99％カット後の1％を24年〜28年までの5年分割弁済

　　　・3億円超は99・9％カット後の0・1％を同様に5年分割弁済

　　継続会員（プレー権保障）へは、

　　　・預託金額面を99％カット後の残り1％が新預託金（10年据置、新証券発行）となる

　年会費の未納がある場合は、完納するか弁済金との相殺扱いとなる。但し、退会・継続を希望する会員は、再生計画認可決定確定後3ヶ月が経過する日の属する月の末日までに届出が必要。

　ちなみに、再生債権者総数は3073名（別除権債権者13名及び自認債権者763名含む）、再生債権金額は88億2293万1636円及び未定（元本は66億7800万円余、未定は開始決定日以降の利息・遅延損害金）となっている。

　尚、計画案の決議を問う債権者集会（書面投票は9月16日必着）は9月27日（ＰＭ3：30）に、「栃木県教育会館・大ホール」（宇都宮市駒1-1-6）で開催される。

　今年1月17日に宇都宮地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令および監督命令を受けた「那須小川ゴルフクラブ」及び「南平台温泉ホテル」の経営会社・那須八溝物産（株）（篠崎暢宏代表）の債権者集会が9月27日に宇都宮地裁で開かれ、投票債権者数1621名中1481名（91・36％）、議決権額総額70億8915万7216円（86・45％）の賛成多数で再生計画案を可決し、同日同地裁より認可決定を受けたことが判明した。

　再生計画案は、平成23年8月4日既報通りで、

　弁済率は、1万円以下が100％、1万円超〜3億円以下は1％、3億円超は0・1％を平成24〜28年の5回分割弁済で、継続会員は弁済金が新預託金（10年据置）となるもの。

　また、関係会社の有限会社ろくはらも、同日に再生計画案が可決されている。

　　　　　↓↓↓ 平成26年1月20日追加

　那須小川ＧＣ、チャレンジコース（18Ｈ）を売却し、平成25年12月16日から18ホール営業に

　　　　　↓↓↓ 平成26年11月18日追加

　平成26年10月27日付、那須八溝物産（株）が宇都宮地裁から再生手続終結の決定を受ける。