精密機器メーカーの持ち株会社「ユニオンホールディングス(HD)」(東証2部、東京都板橋区)株を巡る相場操縦事件で、ユ社が増資の引受先である投資会社に、関連企業を介して数億円を提供していたことが関係者の証言で分かった。
府警は11月、ユ社株の株価をつり上げたとして、ユ社前社長の横浜豊行被告(53)ら9人を証券取引法(現・金融商品取引法)違反(相場操縦)の疑いで逮捕した。
このうち、少なくとも1億数千万円が増資の際にユ社に流れており、ユ社株を巡る架空増資の疑いが浮上している。大阪府警捜査2課もこうした事実を把握している模様。
ユ社は16年3月、親族が経営する投資会社(東京都渋谷区)を引受先にした第三者割当増資の実施を発表した。投資会社が900万円で新株予約権を取得する内容。
大量保有報告書などによると、投資会社はその後、新株予約権を行使してユ社株を取得し、ユ社に総額約77億円を支払ったことになっている。
関係者によると、ユ社はこの増資に際して、横浜被告が役員を務める韓国のビデオ会社や映画配給会社に貸付金名目などで数億円を提供していた。この資金は投資会社に流れ、投資会社はユ社株を取得する費用などに充てていたという。
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