ゴルフ場の入場者動向を左右する最大の要因は、天候といえる。昨年1〜3月は暖冬効果でほとんどの地区で2桁増を記録。その貯金の効果は大きく経産省の動態統計でも、昨年1〜10月累計は利用者数で4・2%増、売上高で3・7%増と、好調さを持続している。
ただし、天候要因以外にも経済情勢やレジャー、スポーツに対する国民のマインドなども複雑に絡み合っているのも事実だ。
今年は地方交付税を増やす方向から地方経済に多少なりとも好影響をもたらす見込み。また平成19年の大企業の冬の賞与・一時金額は3年連続で過去最高を更新したと日本経団連は発表している。ゴルフなどレジャー産業は、経済の成長期に1〜2年遅れてやってくる。
中小企業の業績は弱さがみられるものの、個人所得は若干の上向きが予想される。現在のゴルフ場経営は接待ゴルフではなく、個人需要に負うところが多いだけに、国民の所得アップが素直にゴルフ人口の増加につながる。
とはいうものの、国民のマインドはうつろいやすい。そのマインドをゴルフに向けるには、ゴルフ団体はもとより、各ゴルフ場企業のより一層のゴルフ振興策が必要といえる。
その対策として、これまでゴルフ団体が進めてきたジュニア育成策や未経験者のゴルフデビューの舞台づくりなどが効果的だ。富士クラシックやアコーディアが実施した未経験者や初心者を対象にしたゴルフの楽しさを伝えるイベントも重要な役割を果たすことになる。
16団体が初心者向けにWEBサイトに設けたゴルフ解説書「気になるゴルフ」も効果的だが、この考えを拡大して団体も未経験者を受け入れるイベントを実際に開催するべきだ。未経験者をサイトからフェアウェイに移さなければならない。
個別ゴルフ場に求められているのは、大都市圏にだけではなく、地域に密着した活動だ。チャーミング・リゾーツ系列の「ファン感謝デー」などはその代表格だ。地域住民とメンバー(年間会員)を対象にコンテストやショーなどのイぺン卜を実施し大いににぎわった。
八千代GCは地域対象にショーの開催の他に、地域住民に優待デーを設けている。立川国際CCは、来場したゴルファーはもとより近隣の住民が急病等の場合にも緊急ヘリの場内着陸を受け入れることで、消防署と覚書きを昨年交わした。
即座に利用者増とはならないが、ゴルフに対する地域住民の理解を得ることにより、ゴルフに親近感を深めることは、ゴルフの普及につながるはずだ。
■国内経済は低成長続く見込みもゴルフ界は期待膨らむ、政府GDP見通しは
■未経験者にゴルフデビューの舞台作りの推進を
■現実的な課題克服には他企業との提携等も視野に
■会員権相場は低迷気味も募集増加、安易な募集は不調か
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