東証1部上場でマンションデベロッパーの(株)セザール(東京都品川区上大崎3-3-1、太田征夫社長、資本金128億472万円)は3月24 日、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、即日保全命令を受けた。申請代理人は田村護弁護士(TEL:03-3574-1820)。
マンションの販売価格下落や競争激化で収益力が低下し、昨年9月からは主力取引銀行の三井住友銀行から融資を受けられなくなり、法的整理を選んだ。
同社は現在、同業他社など2社にスポンサーとなるよう交渉しているが、再生できずに破産に追い込まれた場合、一般顧客が支払ったマンションの手付金は弁済の順位が低い一般債権の扱いとなる。手付金の返済を求めた場合、かなりの割合がカットされるため一般顧客への影響が出る懸念もある。
(株)セザールは、不動産売買を目的に(株)ジャパンプランニングセンターの商号で昭和46年に設立、59年に現社名に変更した。首都圏を中心にマンション分譲を展開してきた中堅デベロッパーで、近年では99年3月期に売上高が510億円にまで回復したが、グループ企業間の資金の移動が不透明なうえ、昨年9月の転換社債(CB)や銀行借り入れの返済では、三井住友銀行から借り換え資金の融資を受けられなかった。
筆頭株主のジャパンプランホールディングスにマンションを販売する形で償還資金の手当てを試みたが、これに対し監査法人が売り上げとして計上することを認めなかったことから、監査法人を3月10日に変更するなど、経営が迷走。最近では「マンション用地を取得する資金さえ融資を受けられなくなった」(太田征夫社長)という。
昨年からは同社の手形に対する信用が落ちていたうえ、セザールの実質的な経営者とみられる滝井治仁・前会長が今年1月までに保有していたセザール株を売却しており、経営や資本政策に対する不信感も高まっていた。
東京証券取引所は同日、第1部に上場しているセザール株式を、同社の民事再生法適用申請に伴い、上場廃止にすると発表した。25日から1カ月間、整理ポストに割り当てた後、4月25日に上場廃止する予定。
負債総額は594億円。
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