最近は、阪急ホールディングスによる阪神電気鉄道株式の取得など、TOB(株式の公開買付け)による企業買収が増えているが、ゴルフ場企業でもTOBによる企業買収が成立したことが分かった。
この企業は、昭和49年開場のロイヤルカントリークラブ(36H、栃木県河内郡上河内町、TEL028-674-3321)を経営する(株)オーアンドエムグリーンクラブ(小野塚久信社長、東京都千代田区)。同社はゴルフ場を施工した大木建設が中心となり、その関連企業や松屋、それに株主会員制として正会員が出資している、同CCの資産保有会社。
公開買付かを行ったのは、(株)染宮製作所(さいたま市桜区田島9-19-6、TEL048-710-8041、資本金1000万円)オーナーの染宮公夫氏(東京都文京区)。
平成18年5月19日に財務省で公開された「意見表明報告書」によると、染谷氏は「高齢化社会の活性化には、心身共に健康な年齢の長寿化が重要。これにはゴルフが最適である」と提唱、オーアンドエムグリーンクラブの取締役会も同構想の下で、社業拡大を図ることが企業価値の向上に繋がるなどとして公開買付かに賛同したという。
公開買付けの価格は1株に付き7902円で、6月9日に買付けが成立したとしており、大株主だった大木建設と松屋、それに大木建設の関連企業が同買付けに応じた。
詳細は6月29日に開かれる株主総会後、発表される見込みだが、約2500株、発行済株式の約44%相当を取得した模様。取得金額は約2000万円となる計算だ。
同CCは入場者減による売上高の減少もあり、年々厳しい状況が続いていたが、大株主だった大木建設が平成16年3月に民事再生法を申請したことにより、信用面でも低下していたという。
同CCの取締役によると今後は、新大株主の下で施設のリニューアル等を行う方針で、「民事再生など法的整理を行うことなく再建を目指す。(株主となっている)会員のプレー権や処遇は何ら変わらない」という。ゴルフ場運営は従来通り、(株)ロイヤルグリーンクラブが当たる。
(株)染宮製作所の染宮公夫社長は、既報通り、チサンCC黒羽(18H、栃木県太田原市)を買収し今年2月から営業しており、今回関係者には「新規事業として、2つ目のゴルフ場を取得した」と案内している。
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