ハウステンボスCCジャック・ニクラウスCを経営している、民事再生手続き中の(株)ケイ・ティー・シーの”投資事業有限責任組合”(以下、投資事業組合)をスポンサーとした再生計画案の賛否を諮る債権者集会が6月23日に開かれ、賛成多数で可決した。
「中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律」(平成10年11月1日施行、通称=ファンド法)に基づいて設立された投資事業組合が、ゴルフ場経営企業のスポンサーとなるのは初めて。
決議結果は、出席債権者数451名の内、約66%に当たる299名の賛成、議決権総額では約85%の賛成で可決した。翌24日に長崎地裁から認可決定を受けている。
同社の再生計画等によると、野村プリンシパル・ファイナンス(株)(東京都、野村PF)のアドバイスのもと、十八銀行がメインとなって今年3月に設立した「KTC投資事業有限責任組合」が、(株)ケイ・ティー・シーの株式を取得して役員を派遣すると共に、(株)ケイ・ティー・シーに弁済や設備投資の資金を拠出して再生を図る内容になっている。
同組合の構成は十八銀行系列の十八キャピタル(株)が”無限責任組合員”で、野村PFや地元の宅島建設など13社が”有限責任組合員”となっている。また、同組合が(株)ケイ・ティー・シーに投下する資金は、出資金の内8億円とみられている。
(株)ケイ・ティー・シーは既報通り、関連のハウステンボス(株)が会社更生法を申請(6月22日に更生計画案が可決)したことや、預託金問題、借入金など複合的な要因が重なり、昨年2月26日に再生法を申請した。負債は約114億円で、その内会員約700名の預託金は約65億円という。
再生計画案によると弁済条件は、別除権者に対しては3億5000万円を、一般債権者と退会会員に対しては、債権の98%をカットし、残り2%を再生計画認可決定確定日から60日以内に一括弁済する。
確定日から60日以内にプレー権の継続を申し出た会員には、預託金の3%を新預託金(10年据置)とした会員権を発行する。
ちなみに有限責任組合とは、組合員が出資した資金で未公開企業の株式(転換社債等を含む)を取得し、その企業が上場した場合はその株式を売却、或いはM&Aで株式を売却し、組合員に売却代金の分配や配当をする。
ハイリスク・ハイリターンの投資といえる。組合員は投資目的で出資しているだけに、ハウステンボスCCは将来的に経営交代が行われることが見込まれる。なお、同CCの運営はミサワリゾート(株)に委託する。
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