大宝塚GCは、ローン・スターグループがスポンサーとなって再建を図ることが決まった。平成14年8月2日に同GCを経営する大宝塚ゴルフ(株)の更生計画案を問う関係人集会が開かれ、更生法の可決要件である担保権額の5分の4ないし4分の3以上、一般更生債権額の3分の2以上が賛成、即日大阪地裁から認可決定を受けた。
官報への掲載等を経て約1ヶ月後に認可決定確定となる運びで、ローン・スターグループでは確定から14日後に貸付金と資本金を払い込み、同ゴルフ場の株式を取得、再建を目指す。
管財人によると、関係人集会では担保権額約24億円(担保者4件)の内99.9%が賛成、一般更生債権では約365億円(1642件)の内約305億円、率にして85%が賛成したという。
更生計画では、スポンサーとなるローン・スターグループが貸付金と資本金で35億2500万円(内資本金は8億8125万円)を払い込み、これを弁済資金として、債権者に配当する。
一般更生債権者への弁済率は一律3・3%で、認可確定から2ヶ月後に一括弁済となる。残留する会員は新たな出資をすることなく、債権額の3・3%を新預託金(3年据置)として証券の再発行を受け、プレー権(譲渡も可)が維持されることになる。
同GCでは、旧・幸福銀行の実質的オーナーだった「頴川一族」が経営。昭和52年10月に27ホールで開場後、平成4年に9ホールの増設や豪華なクラブハウスの建設を行ったものの、会員募集が思うようにいかず、来場者減もあり収益が悪化。平成11年には幸福銀行が破綻して、同社への貸付金債権は13年2月にRCCに譲渡されていた。
そこでRCCでは「現経営陣を排除した上で、会員のプレー権を確保しつつゴルフ場の価値を最大限に生かす方法で債権回収の極大化を図る」ため、昨年10月に同GCの会社更生適用を申請していた。このため更生法申請後、約11ヶ月で成立したことになる。
ちなみに、同GCは立地も良く、コース内容も評価が高いことから比較的早期にスポンサーが確定したものとみられるが、本紙調べによると今年のゴルフ場売買額としては川奈ホテルの220億円に次ぐ高額案件となった。
同GCの関係者によると、更生法成立を見込んで同GCの会員権を購入したケースも多いとしており、今後の会員権評価も注目されそうだ。
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