ゴルフ業界も含めて国内経済は緩やかな回復基調にあることは認識しているが、マインドとしては前年度よりややトーンダウンせざるを得ない状況となっている。
政府(内閣府)の経済見通しでは、18年度の国内総生産(GDP)の実績は”景気は消費に弱さが見られるものの、回復を続けている”との表現で名目1.5%、実質で1.9%のプラスと算定、民間消費は名目0.8%、実質0.9%増と推計している。
19年度は名目成長率2.2%(5年連続増)、実質2.0%(6年連続増)の成長を予測、”世界経済の着実な回復が続く中、企業部門・家計部門ともに改善が続き、物価の安定の下での自立的・持続的な経済成長が実現する”として民間消費は名目1.8%、実質1.6%の増加と推計している。
国内経済は平成18年11月に「いざなぎ景気」を超える長期の景気拡大を記録したとみられ、なおも景気拡大が続くといわれている。しかし、景気を牽引しているのは企業業績部門であって、ゴルフ場などレジャー産業を左右する家計消費部門では年後半に下方修正もあってかげりがみられ、政府も「デフレ脱却」を宣言できないでいる。
消費の伸び悩みは、消費税と住民税の定率減税が平成18年から半減した一方で、大企業を除いてサラリーマンの給与が伸び悩んでいることにも一因がある。19年からは定率減税も全廃され、消費マインドが向上するには景気の後押しが必要だ。
好調な企業業績もアメリカの景気減速感など先行き懸念が台頭。17年年末にかけてミニバブル化した株価は18年末にかけて相応の上昇はみせたものの、18年1月のライブドアショックで資産を消失させた一般投資家達のマインドは上がらないままだ。
価のミニバブルかとともに、不動産やゴルフ会員権価格の上昇を生んでいただけに、18年後半は株価の影響でゴルフ会員権についても伸び悩みが続いている。
ゴルフ場ではむしろ、18年に入り入場者数が消費低迷や天候要因もあって減少気味で、峠を越えた感じのあった法的整理件数も地域の代表的なゴルフ場までもが民事再生法等を申請してマインドを冷えさせている。(会員権相場は上昇続く、ゴルフ場の法的整理は漸減)
向こう5年間程度の展望で見ると、消費税引き上げ等の懸念要因はあるものの、団塊の世代のリタイヤが始まりレジャー等の支出や会員権需要が増えていくだろうし、企業業績に後押しされ徐々に消費も上向くだろう。
もっとも、団塊の世代が今後もゴルフを続けるとは限らない。団塊の世代の特需を当て込んだ競争はゴルフ場間だけでなく、業種の境がなく激しくなりそうだ。ポスト団塊の世代、ジュニア育成と業界が取り組む課題は多い。(団塊の世代のリタイヤを念頭に、組織をあげて対策を)
ともあれ、政府は「いざなぎ景気」を超えて向こう5年以上の景気拡大を目指している。以下、ゴルフ場業界の現状と課題を掘り下げ、新年度及び将来を展望したい。 |