新潟県のフォレストゴルフクラブ(36H、新発田市万代855、TEL0254-32-3333)を経営する(株)隆産業(齋藤文志郎社長、新潟市南浜通2-512、代理人=藤巻元雄弁護士他)は、経営破綻状態にあるとして、小山観光開発(株)(若松利雄社長、栃木県小山市神鳥谷202、TEL0285-24-5111)へのゴルフ場営業譲渡を含む私的な再生策を会員に提示した。
同社の文書によると、
@ 新潟市中央銀行からの約12億円借入と同行破綻で7億円強の損害金発生、ゴルフ場施設には
極度額40億円の根抵当権設定
A 会員2053名の預託金(約53億円)は据置期間延長や分割を行ったが弁済不能
B 約1億円の従業員退職金が不足
C 公租公課を中心に1億円以上の未払い金
D 売上金が最盛期の20億円以上から7億円弱まで減少
等から経営破綻状態にあると報告。
担保権は次々に債権譲渡(現在は国内銀行系サービサー)され、同サービサーから早期の弁済(平成18年3月までの解決)を求められていたことから民事再生手続きも検討したが、継承先の合意もあり民事再生手続きを経ずに、今回の再生策となったという。経営承継先の小山観光開発(株)とは、平成17年12月15日付けで条件付の売買契約を締結したという。
その再生策は、
@ ゴルフ場施設を同開発に19億2408万円で譲渡し、担保権者への弁済に充当
A 什器備品・機械等を同開発に2億6千万円で売却、また隆産業の齋藤社長は個人で9千万円
を提供し、両原資で従業員退職金、租税等の債務、会員配当金(3%)に充てる
B 同開発は会員のプレー権を引継ぎ、譲渡可の会員権を発行
等として今年3月にも同開発が新会社を設立して営業する予定。
隆産業は廃業する方針で、全従業員には既に12月13日付けで解雇予告を通告した。会員には再生策を実行した場合、一律3%を弁済し、同開発がプレー会員権を発行する。残り97%の債権を放棄しない場合には、隆産業が同相当額の預託金証書を発行するという。
同社では説明会を1月14日、15日に新潟市で開くとともに、1月31日までに会員からの回答を受付、一定数(8割)以上の賛成があれば、再生策を実行する考え。一定数の賛成が得られない場合は、”サービサーの考えに従って法的手続きが取られると思う”と記している。
同GCは昭和49年に開場、トーナメントも度々開催してきた。負債総額は約74億6500万円の見込み。なお、小山観光開発は小山グランドホテルを再建するなど企業再生で業容を拡大しており、既報通り破産会社からロックヒルGC(茨城県)を買い受け、子会社を通じて経営している。
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