来年度からゴルフ会員権を売却し、譲渡損が出ても所得税等との損益通算が認められなくなる。つまり、「節税」が出来なくなるかも知れないといわれ、会員権の投げ売りが始まっているが、
先ごろ政府税制調査会(首相の諮問機関)の石弘光会長が記者会見で、金融所得の利益と損失を相殺して納税額を減らす損益通算の限度額は、約30万円をひとつの目安に検討していることを明らかにした。
ゴルフ会員権の譲渡損も対象になるかどうかは今のところ不明だが、いずれにしても、売却損がこれまでのように無制限に認められることは廃止されそうである。「もし損益通算の限度額が約30万円になったら、ゴルフ会員権の相場にも影響してくる」と会員権業者は先行きを危惧する。
ある業者は「会員権の売却損の大部分は100万円台から1000万円以上。大半の法人や中小企業経営者はこれまで売却してきたが、ここにきて必要なものは手放す動きに拍車がかかりつつある。そのため相場は弱含みになり、正直なところ相場の先行きは全く読めなくなった」という。
ゴルフ会員権の相場は、法人や中小企業経営者の売買に左右されると会員権市場の内情に詳しい関係者はこう指摘する。「法人などは必要となれば相場価格を気にせず買いあさる。
そのため相場が急騰するが、売却する時も簡単に投げ売りする。そして、また必要になったら買いあさり出す。だから相場動向は法人が握っていると言っても過言ではない」
これから年末にかけ投げ売りが予想されるだけに、ホームコースを検討しているサラリーマンゴルファーはメンバーになるチャンスだろう。その時、相場価格に惑わされず、居心地のいいホームコースになるかどうかを最重視して選びたい。
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