平成13年10月に民事再生法の適用を申請した「茨城ロイヤルカントリー倶楽部」の経営会社・ロイヤル開発(株)は、このほど、自主再生型の再生計画案をまとめ、永井津好監督委員の「再生計画案に対する意見書」を添えて、会員等債権者に配布した。
計画案によると、別除権者(三井生命 4億5000万円)には、平成14年から30年までに分割して弁済する、「それを担保にするため50万円の預託金返還請求権付会員権を1000枚、額面5億円を発行して、会員権の相場が立つようになった段階で、順次売却し、前倒して弁済できるよう努力する。」と提案している。
一方、会員等の一般債権者および退会する会員に対しては元本債権の98%をカットし、残り2%を10年間分割返済するとしている。
継続して会員としてのプレーを希望する会員は、
@ 預託金を85%カット、
A 残り15%の預託金の据置期間は平成24年9月末、
B 据置期間満了後は原則前年度決算未処理分利益の2分の1を抽選返還、とした上で、
「預託金返還請求権を保全する仕組みを設ける」と報告。
その仕組みとは、「担保保有会社の設定」で、その新会社は「抵当権設定の仮登記を行い、将来は第1順位の抵当権者から抵当権を譲り受ける」としている。この新会社は、
@ 預託金が再生計画通り返還されない場合、
A 第3者にゴルフ場を譲渡した場合、
B 計画以上に会員権を発行した場合、
・・・・等に担保権を実施することができるとすることにより、預託金の保全をするとしている。
継続会員はこの新会社の株式をカット後の預託金1万円につき1株が割り当てられる。(株取得代金は1株25円、初回年会費と相殺するので、会員が改めて拠出する必要はない)このため、同社は再生計画成立後に「預託金額面と株券が一体となった新証券」を交付。その後は、一体となった証券のみ譲渡を可能にするという。
このような担保保有会社を設立し、預託金を保全するとした例は幾つかあるがこれを再生計画に応用したスキームは初のケースである。
ちなみに、同ゴルフ場の正・平日会員数は4173名であり、退会会員もいることから担保権者に担保提供した1000名を加えても5000を超えることはないとしている。
なお、債権者集会は平成14年4月17日東京地裁の債権者集会場で開かれる。
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