旧・津GCの会員が以前ゴルフ場を所有していた(株)津ゴルフ倶楽部の破産申立を行っていた事件で、名古屋地裁が同社に対して平成17年9月14日に破産宣告を下したことが分かった。
破産管財人に選任された渡邊一平弁護士(太田・渡邊法律事務所、TEL02-221-1313)は債権者に対し、今後の予定説明書を送付、管財人がゴルフ場の返還を目指すことを宣告した。負債額は会員の預託金を含め約400億円とみられている。
同社は平成2年に津GCをオープン。会員募集は550万円(預託金500万円)や750万円(同、700万円)を中心に行い、預託金で240億円を集めたとされている。
しかし、同GCは13年の預託金償還期限を目前にして事態が急展開。12年12月に預託金の10年据置延長を決議したが、一部会員から返還訴訟を起こされた。その後は新たな償還対策を提案したり、(株)ケー・エス・シー(名古屋市、以下KSC)との間でゴルフ場の営業権譲渡を装ったことなども発覚。
ゴルフ場はKSCが14年10月から樹王CCに名称を変更し営業を再開したが、KSCのオーナー及び津GCの経営者が別件の事件で競売を妨害したとして14年9月に逮捕されたり、15年1月に同経営者らが会員契約適正化法違反で書類送検されるなど事件が相次いだ。
KSCは、樹王CCで営業再開する際、旧・津GC会員に対して登録料等の納入を要求。これらに反対した会員らが「津GC会員の権利を守る会」を結成し、15年11月には会員連盟で(株)津GCの破産を名古屋地裁に申し立てていた。
またKSCに対してはゴルフ場の譲渡は仮装で無効との理由で、所有権移転登記の抹消と備品の引き渡しを求め提訴、今年1月には名古屋地裁が訴えを全面的に認める判決を下していた。
今回の破産管財人の説明書によると、会員の裁判に触れ、KSCは一審の結果を受け控訴したが名古屋高裁は控訴を棄却したと説明。その後の上告も”棄却される見通し”という。
その上で”不法に占領されている津ゴルフ倶楽部の返還を受け破産管財人により管理する所存”と表明、そのため会員訴訟を引き継ぎ、KSCに不当占有を止めさせゴルフ場を返還させると報告している。返還を受けたゴルフ会員権のゴルフ場の営業・経営方針については鋭意、検討中という。
第一回の債権者集会の期日は来年2月16日となっている。守る会の会員らは既に「有限責任中間法人美里」を設立しており、破産管財人から津GCを買い受けて、自主運営を目指すと表明している。
→その後の経過
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