昨年11月に民事再生法の適用を申請した南紀観光(株)は、先ごろ債権者に再生計画案を配布し、実業家個人をスポンサーにして再建する方針を明らかにした。同計画案の賛否を問う債権者集会は平成17年4月19日に開く予定。
同計画案によると、会員の施設利用権を保護するためにはスポンサーによる支援が適当であるとして、
@ 会員のプレー権の保護、
A スポンサーが弁済のために一定の資金を拠出、
B 再生債務者が負担する預託金債務は99%の免除を受け、その残額(1%相当)の内1000円を超える
金額について、認可決定の確定日から3ヶ月以内に配当を行う、
C 残額の1000円は将来会員が退会する際に返還する
・・・ことを条件にスポンサー契約を行ったとしている。
同社の弁済条件としては、親会社に当たる土地興業(株)が有する貸付金等債権を除き、いずれの再生債権者に対しても1%の配当(内会員債権者は前出の通り、新預託金1000円を除き返還)を行う。
→平成19年5月11日、土地興業(株)は民事再生法を申請
土地興業の貸付金等債権については15億円を除く部分について免除を受け、この15億円については4月中に再生会社に対する現物出資を行うものとし、これによって取得した株式と、従前から土地興業(株)が保有していた株式を併せて、認可決定日以降スポンサーに備忘価格で譲渡するとしている。
確定再生債権は会員債権者が1029名で、その額は21億9620万円、一般再生債権者は98名で25億4652万円余(内土地興業約24億円)、自認債権者195名で4億1900万円余となっている。
なお、スポンサーとなる田渕道行氏は、(株)ほっかほっか亭総本部(東京都港区)の代表取締役で、ゴルフ場事業の運営に強い意欲と熱意を有し、資金力もあると紹介している。同社は持ち帰り弁当チェーン・ほっかほっか亭の総本部で、田渕氏が同チェーンの創業者。 |