三菱グループの茂原カントリー倶楽部(18ホール、千葉県)を経営する茂原カントリー開発(株)(三菱開発(株)を今年11月1日に商号変更、中西良和社長)は、会員に預託金の全額を返還して倶楽部を解散することを決めた。
また、ゴルフ場施設は第三者へ売却し、同社は清算することになった。この件に関し、同倶楽部の運営会社・菱友興産(株)(有吉泰社長)は平成16年11月12日付けで、会員に「会員契約解除の件」とした通知を行った。
同社は三菱商事をメインに三菱グループ33社の出資で設立され、昭和62年に会員制の同倶楽部をオープン。ピーク時には正会員・週日会員を含めて1400名強の会員が在籍していた。
しかし、平成7年から預託金の据置期間が順次満了し、これまでに500名以上の会員が預託金の返還を受けて退会。返還した預託金の総額は約60億円にもなる。
また、今回の倶楽部解散で返還する預託金額も約60億円になるとみられる。通知では、ゴルフ場経営からの撤退について、預託金問題に加えてバブル以降の「入場者の減少、客単価の低下」などをあげている。
一方、ゴルフ場施設の売却先とは基本合意に達しているとしている。来年1月末から2月末までには経営交代になる予定。ゴルフ場施設を買収するのは、上場企業で業務用ソフトの開発や販売を行う(株)オービック(東京都中央区)の野田順弘代表取締役会長他、個人数名で出資した新会社。
野田会長は、以前からゴルフ場の経営に前向きな姿勢を示していた。新会社は、ゴルフトーナメントの解説者としても知られる大西久光氏を代表取締役社長とした運営会社(仮称=(株)茂原カントリークラブ)を設立する予定。
経営交代後の運営については検討中のようだが、運営会社が会員を募集し再度会員制で運営・経営する考えもあるようだ。
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