赤倉観光開発(株)(中央区銀座3-7-1、スキー場・ホテル:新潟県中頸城郡妙高高原町大字田切字西原216、設立昭和35年8月、資本金4000万円、長谷川二朗社長、従業員8名)と系列の(株)赤倉観光ホテル(同所、設立昭和11年1月、資本金5400万円、同代表、従業員32名)の両社は平成16年4月22日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。
申立代理人は松嶋英機弁護士(港区赤坂1-12-32、電話03-5562-8500)。負債は赤倉観光開発が約183億円(うちゴルフ会員使用予約金債務が約13億円)、赤倉観光ホテルが約17億円。
赤倉観光開発(株)は新潟県の妙高高原町でスキー場やゴルフ場を運営、また同町に所在する老舗ホテル「赤倉観光ホテル」の運営は(株)赤倉観光ホテルが行っていた。両社はいずれも旧大倉財閥グループの資産管理会社大倉事業(株)(同所)の子会社で、大倉事業からの多額の資金支援により営業してきた。
赤倉観光開発は上信越高原国立公園妙高高原内において日本で最初に国際スキー場の指定を受けた「赤倉観光ホテルスキー場」を、夏場は「赤倉ゴルフコース」(18ホール)やテニス場などの運営管理を手掛け、平成16年4月期は年商約5億円をあげていた。赤倉観光ホテルは昭和11年1月に設立され戦前からの名門リゾートホテル。最近では年商約3億5000万円をあげていた。
しかし、バブル崩壊以降、レジャー産業が衰退、ゴルフ場・スキー場の設備投資や環境保全のための借入が増大したが、これらの借入は親会社の大倉事業からのものだった。
そうした中、大倉事業グループは、総合商社である大倉商事(株)(中央区)が平成10年8月自己破産したのをきっかけに、平成14年5月(株)川奈ホテル(中央区)が民事再生を申し立てるなどグループ内の整理清算を進めてきた。このため、両社は大倉事業の資金援助が受けられなくなり整理の方向を模索していた。
今回の申立は、同ホテルの顧客だった米国カリフォルニア州在住で全米で食品総合小売業を営み、寿司文化を全米に広めたことでも知られる石井龍二氏が再生協力の内諾をしてもらえたからの措置。
この事業再生に当たって今年2月にR・Iコーポレーション(株)(渋谷区神宮前、資本金1000万円)を新設しており、同社に事業譲渡した上で再生するという準備も進めている。
なお、この時期での申立は、これら再建スキームに沿ったもので、冬場のスキーシーズンが終了してのタイミングであり、今回の再生によって大倉事業グループも大きな保有施設の整理はほぼ終了したとも言われる。
↓↓↓ 平成28年9月8日追加
赤倉GC経営の赤倉観光ホテル、系列会社と合併し商号変更
昭和38年開場の「赤倉ゴルフコース」(18ホール、新潟県妙高市田切216、TEL:0255-87-2502)を経営するの(株)赤倉観光ホテル(住所=コース同、石井龍二代表取締役)は、R&Mリゾート(株)(同代表、静岡県伊豆市吉奈98)の権利義務全部を継して存続し、R&Mリゾートは解散する旨を8月10日付け官報に公告した。
赤倉GC URL=http://www.akr-golf.com/ (表示方法)
R&Mリゾート(株) URL=http://rm-resort.jp/company/
効力発生日の10月1日をもって、(株)赤倉観光ホテルは商号をR&Mリゾート(株)に変更するという。
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