上場企業の(株)九電工(福岡市南区)は子会社を通じて北山カントリー倶楽部を買収、平成17年5月1日から同CCを新体制で経営することになった。
買収したのは九電工の子会社・九電工北山観光(株)(本社=コースと同じ、姫野逸郎代表取締役=九電工専務、資本金5000万円)で、買収金額は8億円といわれている。九電工のグループでは、子会社の九州電工ホーム(株)がゴルフ練習場を経営しているが、ゴルフ場経営は初めて。
北山CCは預託金の償還問題から民事再生法を申請した。そこで、会員側は「北山CC会員のプレー権の実質を守る会」を組織し、中間法人を活用した会員中心の再建策を盛り込んだ再生計画案を作成。一方、会社側はユニマットグループをスポンサーとした計画案を提示した。
債権者集会ではどちらの案に賛成するかで賛否が諮られたが、両案とも可決要件に満たず再決議となり、その2回目の集会も1回目と同様に可決しなかったため、同CCを経営する三瀬観光開発(株)は破綻となっていた。
破綻後に破産管財人の浜田弁護士が買収先を募り、九電工がこれに応じたもの。韓国系の企業を含め約10社が買収を希望したという。
破産管財人との譲渡契約が4月28日とあって、九電工は買収についてコメントを控えているが、従業員は再雇用し、ゴルフ場名も変更しない模様だ。
会員の処遇に関しては、破産会社からの配当金(預託金の数%になる予定)を放棄した上、2万円の預託金(入会金はゼロ)を支払った会員には譲渡可能な会員権を発行し、退会を希望する会員には配当金を支払うとしたないようになっている。
北山CCは福岡市内から車で40分と比較的立地に恵まれており、コースも人気があることから、退会を希望する会員は少ないと見られている。
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