平成24年5月16日、預託金ゴルフ会員権の取得者が据置期間満了を理由に、預託金の返還と遅延損害金の支払いをゴルフ場経営会社に求めた裁判で、東京高裁(鈴木健太裁判長)は、一審のさいたま地裁の判決を覆し、預託金の返還等を会社に命じる逆転判決を下していたことが判明した。
経緯を簡略化して説明すると、
訴えていたのは熊本クラウンGC深田コースの預託金会員権を譲り受けた取得者
平成6年10月12日発行の預託金480万円の会員権(10年据置)を平成22年11月に取得し、名義書換手続きを会社に申し入れたが手続きを進めなかったため、平成23年1月に480万円と遅延損害金の支払いを求め提訴。
訴えられたのは同GCを経営し預託金を受託した(株)ビツク(旧・大明建設株式会社)
「倶楽部理事会の承認を受けていない」、「名義書換料の支払いを完了していない」などとして、譲受前であるから取得者に預託金返還請求権はない旨を主張。
会則(平成7年9月施行)の「譲渡で名義変更があった場合はその日より10年間据え置く」に該当する。
一審のさいたま地裁は取得者の主張を退ける判決
会則(平成7年9月施行)の「預託金の据置期間を入会日より10年間据置く」に該当するが理由。
↓↓↓
一審の判決を不服として控訴。
↓↓↓
平成6年1月施行の会則(据置期間を延長するとの規定はない)があることがその間に判明。
東京高裁は会社に預託金の返還を命じる判決
・会員権は平成6年10月12日発行なので旧会則を適用。
『 昭和61年9月11日に最高裁第一小法廷の判決「据置期間の延長は、個々の会員の同意がな
ければ効力を有しない」(注・最高裁の判決文では「会員の個別的な承諾を得ることが必要で
あり、個別的な承諾を得ていない会員に対しては据置期間の延長の効力を主張することはで
きない 』」を引用し、会員権の据置期間は平成16年10月に満了しているとした。
・会社が名義書換書類を送付しなかった件で、「会社は入会審査する義務を負っている」として、
「理事会の承認がない」などとした主張は「権利の濫用」として退けた。
↓↓↓
今年5月21日、会社側は高裁判決を不服として上告
|