広島エアポートビレッジ開発(株)(三原市本郷町善入寺64−31、設立平成2年4月、資本金57億円、亀頭睦訓社長、従業員14名)は9月4日、広島地裁尾道支部に民事再生手続開始を申し立てた。
申立代理人は中尾正士弁護士(鯉城総合法律事務所、広島市中区上八丁堀9-20-305、電話082-227-2411)。負債総額は約52億円にのぼり備後地区で今年2番目、歴代でも9番目となる大型倒産となった。
広島空港周辺の開発を目的に、広島県を筆頭に県内大手企業の出資などにより設立された。5年に広島エアポートホテル、9年にゴルフ場「フォレストヒルズゴルフ&リゾート」をオープン、総事業費は100億円を超えた。
事業収入に比べ、設備投資の負担が重く、平成7年3月期以降は毎期赤字決算が続いていた。17年3月期にホテル収入の計上方法を変えて年商は5億円台から15億円台となったが、採算面や資金繰りに変化は無かった。18年3月期は特別損失もあったことから11億6700万円の当期損失を強いられた。
当初、設備投資資金は広島銀行を中心とした地元金融機関及び広島県からの借入金とゴルフ場の預託金によって賄われていたが、12年1月、広島県を中心とした増資(30億円から57億円へ)によって銀行借入金を返済した。
ゴルフ場には建設資金として約28億円の預託金があったが、平成19年の預託期限を迎える前より経営難を理由として会員に延期を要請していた。
20年秋からの景気悪化に伴い、返還請求が急増したものの、手許資金として約1億円、21年3月期の純資産は3億2300万円しかなく、抜本的な改善策としてゴルフ場とホテルを売却して解散を検討していた。
しかし解散には多額の公金が必要となることで広島県が支援を断念、法的整理による再建を選択した。
広島エアポートビレッジ開発業績推移(単位:千円)
決算期 売上高 利益
平成19年3月期 1,595,280 -109,112
平成20年3月期 1,533,000 -82,000
平成21年3月期 1,374,000 -106,000
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