「ゴルフ会員権相場は底離れから緩やかな上昇ヘ」と題するマーケットレポートを会員権取引業の(株)桜ゴルフの関連の(株)桜ゴルフ総合研究所(佐川八重子社長、東京都中央区)がまとめ、このほど発表した。
レポートでは、今年上半期の会員権相場を振り返り、日経平均株価が1万円台の大台を回復するまでになったのと連動するように、4月3週に会員権の平均相場は約25ヶ月振りに反発に転じたと報告。
→グラフ参照
関東圏の平均相場は1〜3月の「続落」(5・8%減)を4〜6月の「底打ち・反転」(9・2%増)で補い、上半期で2・8%の値上がりを見せた。値ごろ感が一段と高まった高額・名門コースを法人及び個人の富裕層が拾い、マーケットを牽引したという。
価格帯別ではトップの1000万円以上が年初比9・7%の値上がり(4月のボトム比16・1%噌)、次いで中堅上クラスの500万円以上では5・3%の値上がり(10・2%増)となった。
ただし、三大都市を除く地域の相場はまだ値下がりのところもあり、二極化が鮮明という。
一方、バブル期と比較して低い水準にある会員権相場は、バブル崩壊後の予想を超えるゴルフ場の倒産が相場上昇の足かせとなっていると分析、会員権の信頼回復には会員保護の見地に立って株主会員制ヘの転換や会員契約の見直しなど抜本的な改革と法整備が喫緊の課題としている。
また、この1年間のゴルフ会員権の注文状況を分析し、「法人=売り、個人=買い」という構図定着、個人は買いが旺盛で多様化しつつ個々の予算が減った一方、家族・友人等の「個」を中心とした枠組みで、リタイア後を視野に入れた購入者が多いとしている。
買い方の特徴は、安い物件でも「割り切り買い」や、ワンランク上の安全なコースを求める「こだわり買い」も増えてきたという。
さらに、会員権の購入者の世代移行が顕著になり、かつて60代、70代、50代であった順位がこの3年間で50代(全体の36・4%)、60代(30・8%)、40代(21・2%)の順位となり、50代のうち3分の2が55歳以上とリタイア後をにらんだ動きという。
その50代の購入予算は意外と低く、150万円未満が53・4%を占め、次いで300万円以上26・9%、150〜300万円未満19・7%としている。
今後については、ゴルフの女性・若者層ヘの広がりや堅調な入場者数、リタイヤ後の需要など明るい見通しから、同社の取引実績からしても当面会員権相場は景気の影響を受けながらも、根強い個人需要に支えられて、緩やかな上昇カーブを描いていくと結んでいる。
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