本紙ではこのほど、今年5月以降に決算公告したゴルフ場企業の決算状況を集計した。
今回は平成19年決算期(便宜土期末が19年1〜12月)の25社と、20年決算期の132社の計157社を集計、法的整理を当期に申請した企業の決算は少なくなりつつあるが、減損処理で損失を計上する企業もまだ多く、それに法的整理後でも収益回復が遅い印象の決算となっている。
20年決算の132社のうち、当期損失(赤字)を計上したのは65社で、その比率は49・24%、損益額合計は64億2800万円の損失、1社当たりは4870万円の損失となった。
今回集計の19年決算の25社では赤字は18社で、その比率は72・00%、損益額合計は27億400万円の損失、1社当たりは924万円の損失となった。
本紙が今年5月にまとめた19年決算期の企業は179社の集計で、赤字は89社、その比率は49・72%、損益額合計は170億3400万円円の損失、1社当たりは9516万円の損失となっていた。
今回の25社を合わせると19年は204社の集計で赤字は107社でその比率は52・45%、損失額合計は197億3800万円の損失で、1社当たりは9675万円の損失となった。
この19年決算に比ペると、20年は今のところ赤字比率で3・21ポイント改善、1社当たりの損失額は9675万円から4870万円ヘと損失額が半減した。
今回集計したゴルフ場企業は、オリックスグループ、東京建物(ジェイゴルフ)グループ、PHI(PSR)グループ、アーパンコーポのグルーブ、アコーディアグループの一部など。
減損処理や法的整理で経営母体が交代し、大手ゴルフ場運営グループに入った企業が多かった。それでも、経営交代後数年経っても収支がプラスに転換していないケースもあり、必ずしも大手グループ入りで収支が大幅に改善するとはいえなくなっているようだ。
20年決算で大幅利益を計上したのは法的整理後の特別利益の計上もある(株)パームヒルズゴルフリゾート(19年6月再生計画認可、アコーディアグループ入り)が262・47億円の利益、東宮開発(株)(19年9月更生計画認可、オリックスグループ)が19・35億円の利益を計上した。
近年、時価会計や法的整理で見直しが行われている固定資産額は、20年決算で近江観光(株)333・94億円、トヨタ瑞浪開発(株)156・51億円、(株)南総カン卜リークラブ134・43億円が上位で、集計できる20年の128社平均額は29億7400万円となっている。
今回集計した19年決算の25社の固定資産平均額は30・91億円、上位はピーエスアール武蔵(株)133・67億円、総武都市開発(株)105・30億円、(株)アーパンクラシック101・1億円だった。
ちなみに、法的整理をした企業の固定資産額は”時価”で算定しているため、ゴルフ場売買代金と密接な関係がある。PGMグループは総武都市開発(株)から新設分割会社の株式を今年6月に121・1億で買収していた。
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