日新開発(株)(資本金3000万円、兵庫県西宮市松原町4-5、代表清算人大沼順子弁護士)は、10月21日開催の臨時株主総会で解散を決議し、11月10日に神戸地裁尼崎支部へ特別清算を申請、11月14日に同支部より特別清算開始決定を受けた。
申立人は大沼順子弁護士(大阪市北区西天満4-4-13、電話06-6364-4114)。
当社は、1963年(昭和38年)3月に中堅上場ゼネコンの(株)新井組の関連会社として設立。一時期は新井組の100%出資子会社として、宅地造成・ニュータウン開発やマンション分譲のほか不動産仲介・賃貸および不動産コンサルティング業務などを手がけていた。
一方で神戸市北区(仮称・西宮北ゴルフクラブ、北区道場町平田・塩田・生野(地図)、平成18年9月30日許認可、当時経営母体は新井組)と兵庫県津名郡津名町(現=淡路市)においてゴルフ場の開発事業も行い、親会社の信用を背景としてバブル期に業容を急拡大し、ピーク時の95年6月期には年売上高約106億7300万円を計上していた。
しかし、バブル崩壊後の地価下落で販売用物件の大半が不良資産化していたうえ、ゴルフ場開発計画もゴルフ業界の経営環境悪化で頓挫していた。
また、これらの物件の取得を金融機関からの借り入れに依存していたことから金融債務が経営面を圧迫。親会社からの支援を受けて資産の売却を進め、経営の立て直しを進めていた。
ところが、その後の建設市況の低迷などで新井組も経営不振に陥り、メーンバンクの金融支援を受ける事態となったため、グループの経営改善計画を策定。
2002年12月にはその一環として、当社など経営の悪化したグループ会社の株式などを越水商事(株)に譲渡して新井組グループから分離。
その後、これらの会社の資産整理を進めたこともあって、当社の2005年12月期(決算期変更)の年売上高は手持ち物件の処分で約6億7400万円にとどまっていた。こうしたなか、今般、清算業務に区切りがついたことから、特別清算の申請となった。
なお、新井組の元非連結子会社で、損保代理業などを手がける越水商事(株)(資本金1000万円、同所、同代表清算人)も同時に特別清算開始決定を受けた。
申請時の負債は、日新開発(株)が約471億円、越水商事(株)が約64億円で、2社合計で約535億円。
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