昭産業(株)(資本金9000万円、兵庫県多可郡加美町寺内字入相山618、中島隆彦社長、従業員8人)は、平成14年5月7日に神戸地裁へ民事再生手続き開始を申請し、同日保全命令を受けた。申請代理人は船橋茂紀弁護士(東京都千代田区麹町5−7ノイエスト総合法律事務所、電話03−3511−8407)。
同社は、1955年(昭和30年)4月に工業薬品販売を目的に大阪市内で設立。化学品メーカー、不動産、商社などでグループを構成し、当社は関係会社向けにトルオール・キシロール溶剤・MSP酢酸などの各種工業薬品販売を手がける一方、米国に現地法人を設立してカリフォルニア、ニューヨーク、ロサンゼルスに不動産を取得、また国内でも賃貸ビル経営に参入していた。
92年には滝野カントリー倶楽部八千代コース(兵庫県多可郡、18H P72 6810Y)をオープン、また95年7月には同迎賓館コース(兵庫県加東郡、18H P72 6809Y)を買収してオープンさせ、98年3月期には工業薬品販売(74%)、ゴルフ場収入(10%)、家賃収入(9%)などで年売上高約128億6000万円を計上していた。
その後は化学品部門が軟調に推移し、ゴルフ場、不動産部門も単価下落が響いて売り上げは減少し、2000年同期には年売上高約106億8300万円へとダウン、この間は販管費の削減、不動産売却などのリストラを進めたものの、不動産、ゴルフ場に対する投資に伴う借入金が200億円を超え、財務内容が悪化していた。
このため2000年4月には化学品部門を分離し別法人へ営業譲渡、当社はゴルフ場、不動産管理に特化する再建計画を実施し、借入金の圧縮を進めていた。
しかし不動産、有価証券の価格下落が続き多額の売却損が発生、2001年同期には年売上高約16億円に対し当期損失は約49億円となっていた。
今期に入っても不動産売却によるリストラを進めていたが、一部会員からの預託金返還請求の調整が難航し、今回の措置となった。
負債は預託金約188億円を含めて約450億円。
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