「山口」 学校法人萩学園(資産総額49億8230万5668円(2011年3月31日現在)、萩市椿東5000、理事長塩見範雄氏)は、6月1日に山口地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全・監督命令を受けた。
申請代理人は、衛本豊樹弁護士(東京都千代田区内幸町2-2-2、電話03-5501-2111)ほか7名。
当法人は、1965年(昭和40年)1月に「萩女子短期大学」の名称で創設、同年12月に学校法人萩学園として法人改組。99年4月には山口県と萩市から約40億円の補助を受けるなど全面支援を得て、4年制の「萩国際大学」を開校、国際学科と経営情報学科の2学科を有し、開校以来、萩市長が同校の理事に就任し運営していた。
しかし、少子化や大学の増加を背景にスタートから定員割れの状況が続いていた。2002年度の学生数は4学年合わせて651人と50%台の在学率にとどまっていたうえ、約60%が中国などからの留学生で構成されるなど不安定な構造となっていた。
こうしたなか、入国管理局の留学生資格審査の厳格化により、留学生頼みの募集戦略にも陰りが見え、深刻な定員割れとなっていた。
このため、地元有力者を理事長に迎え教職員削減などのリストラを実施する一方で、ゴルフ場を買収し、国内初のゴルフ文化コースを創設。プロゴルファーを客員教授に迎えるなどユニークな教育プログラムを設定していたが、財務内容に好転の兆しは見られず、2005年6月21日に民事再生法の適用を申請していた(当時の負債は約38億8000万円)。
その後は、塩見ホールディングス(大証2部上場:当時)がスポンサーとして再建を主導し、翌2006年3月10日に、民事再生手続きを終結していた。
2007年4月に大学の名称を「萩国際大学」から「山口福祉文化大学」に変更し、社会福祉系の新学部(ライフデザイン学部)を新設して再スタートしたものの、計画通りの学生数を確保できず、欠損計上が続いていた。
このため、2008年には東京サテライト校、広島サテライト校を開設して受け入れ規模を拡大し、2011年3月期には年収入高約7億7900万円にまで回復したが、今年1月には、当学園の経営が塩見ホールディングスから学校法人こおりやま東都学園に実質的に移行していた。
こうしたなか、自力での累積債務の解消は困難と判断し、今回の措置となった。
負債は2011年3月期末時点で約41億円。
↓↓↓ 平成24年12月12日追加
「萩・石見カントリー倶楽部」を保有する学校法人萩学園の債権者集会が11月30日に開催され、出席債権者数90%、議決権総額80%強の賛成多数で可決、同日に山口地裁から認可決定を受けた。
債権者への弁済率は、100万円までが全額、100万円を超える部分は1%で計画案確定日から3ヶ月以内に一括弁済する内容となっている。
ゴルフ場は継続して、新設した社会福祉系の新学部(ライフデザイン学部=ゴルフ場経営及び運営の専門家養成するスポーツ福祉専攻)で活用されるという。
↓↓↓ 令和5年6月29日追加
「萩・石見カントリー倶楽部」の経営会社は、総合建設業の協和建設工業(株)(田村伊正(だむら・これまさ)代表取締役、山口県萩市大字椿2370、TEL:0838-22-0928)に交代しているようです(経営交代に関する詳細は不明です)。運営は、萩石見カントリー倶楽部(株)(同社長)が行っているようです。
↓↓↓ 令和5年6月29日追加
新山口カンツリー倶楽部を萩・石見CCのグループ会社が取得し、毛利庭園GCに名称変更
|