既報通り、9月に岡山地検から有印公文書偽造の疑いで家宅捜索を受け、社長等が逮捕された伊豫商事(株)(岡山市)のグループだが、その後ビツクライザックカントリー倶楽部(旧:ミリア・センダイ・GC、18H、仙台市太白区)を保有していたグループの大喜(株)(西田嘉幸代表、岡山市中山下1-8-45、資本金5000万円)が債権者により10月10日に岡山地裁ヘ破産を申し立てられ、18日に破産手続開始決定を受けたことから、同CCは管財人の元で売却(スポンサー)先を探すこととなった。
大喜はティッシュペーパーなどの紙製品の卸売りを手掛ける伊豫商事(株)のグループで、平成13年1月にミリア・センダイ・GCを買収するため設立された。
ミネラルウォーターの製造を主に行い、買収した同GCは同年6月から現名称に改め、別途設立したビックライザックカントリー倶楽部に運営を委託した。当初、会員を3300万円(預託金3000万円=10年据置)で募集すると公表し、プレー料金も破格の高額に設定した。
また14年1月からはコースをクローズし、倉本昌弘プロをアドバイザーに迎えてコースを改造、15年8月に再オープンした。
この際、会員募集計画は撤回、パブリック運営に転換し、年会費制の友の会会員を数十名募集して運営していた。豪華なクラブハウスがあり、結婚式の受入れも行っていたが、入場者数がかなり少なかった上、シニアトーナメントの開催等で、年間1億円以上の赤字となっていた模様だ。
ところが、同CC主催のシニアトーナメントが開かれて間もない9月26日に、伊豫商事グループは納税証明書を実際より多く見せかけて金融機関から不正に融資を受けたとされる有印公文書偽造の疑いで伊豫商事の大島敏之社長や大喜の西田嘉幸社長が逮捕された。
伊豫商事は9月26に自己破産を申請、10月1日に破産手続開始決定を受けた。
そして、大喜他グループ2社(大歓(株)、伊予産業(株))も9月19日に事業を停止、従業員も解顧し事務所も閉鎖しており、10月18日に岡山地裁から破産手続開始決定を受けた。
大喜の破産管財人には小林裕彦弁護士(岡山市、TEL086-225・0091)が選任されており、同事務所では「お金の流れがわからず、負債額も不明。ゴルフ場はすでに管財人の管理下で営業しており、年内にも従業員の雇用を条件に入札でスポンサー(売却)先を決めたい」と話しており、すでにスポンサーに名乗りを上げている企業もあるという。
破産債椎の届出期間は平成20年1月18日まで、債権者集会等の期日は3月12日となっている。
同グループは金融機関から4百数十億円にのぼるといわれる融資を受けたとされるが、大半は回収が困難な状況。
報道等では複数の宗教団体に数十億円の寄付を行っていたほか、約30億円といわれるゴルフ場買収費、蔵王のホテル買収費、株式の取引等にお金が使われたとみられている。
|