福島県いわき市小名浜のゴルフ場・小名浜カントリー倶楽部を経営する(株)小名浜カントリークラブ(中島栄作社長)が17日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。
負債総額は会員預かり保証金の預託金と金融債権合わせて約63億円。全国でゴルフ場経営を展開するオリックスグループが経営支援し、営業を継続する。
同ゴルフ場は昭和51年にオープン。太平洋を一望できる60万坪の丘陵地に変化に富んだコースと首都圏から近い立地の良さで、最盛期の平成3年6月期には年間約7万人の利用があり、年収入高約14億8800万円を計上した。
しかし、バブル崩壊とゴルフ場の価格競争から、10年には会員預かり保証金の償還を一時休止するなどした。最近では年間約3万8000人の利用にとどまり、18年6月期の年収入高は約5億2500万円に減少した。
会員は約2700人で、いわき市内が約7割を占め、関東など県外の会員もいる。現在の従業員約80人は、民事再生法適用後もオリックスグループの経営支援を受けて引き続き雇用する。
ゴルフ場の名称も従来通りで、県内有数の老舗ゴルフ場として伝統を守りつつ、会員がよりプレーしやすいゴルフ場を目指すとしている。
オリックスグループは、全国の27のゴルフ場を運営しており、東北地方で経営支援に当たるのは同ゴルフ場が初めてとなる。23日に東京、24日にいわき市で債権者説明会を開く。
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