上場のPGGIHが株主優待で”平日プレー無料優待券”を発行すると報じたが(参照記事)、これを機に本紙ではゴルフ場を利用できる株主優待制度を設けている上場企業を調べたところ、20社がピックアップできた。また、優待制度を利用できるゴルフ場は延べ500コース以上にのぼることが分かった。
20社(PGGIHを含む、ショートコース利用可の小田急不動産等は除く)の内の7社は、小田急電鉄や全日空などの運輸関係の企業で系列ゴルフ場を利用させるもの。また、主にゴルフ・リゾート関係の事業を行っている企業が4社などとなっている。
優待の内容は様々だが、大別すると権利のある期間中は制限なくゴルフ場を特別料金で利用できる制度(年間または半年)を採用しているのが東建コーポレーション、A・Cホールディングス、スターツコーポレーション、リゾートソリューションの4社だった。
その他の16社は「割引券・金券等」の発行で1回から数回等と利用回数が制限される。株主のゴルファーにとって魅力があるのは制限がなく利用できる4社の制限だが、中でも東建コーポレーションの制度が突出した内容になっている。
同社は2000株以上所有する株主に対して、同グループの東建多度CC名古屋または東建塩河CCの金曜日を1年間メンバーフィで利用できるカードを希望者に発行する。
年間会員ということになるが、2000株を取得するには1612万円(11月22日現在株価1株8060円が基準)の投資が必要となる。現在のところ登録者数は十数名で、平日がMFとなる登録者(1000〜2000株未満の株主対象)を含めると100名を超えるという。
同社では「登録者はゴルフ場の近隣にお住まいの方がほとんどで、利用度は高い。既存の会員との関係は調整しているので問題は起きていない」と説明している。
一方、割引券等を発行して回数を制限している16社の優待制度は、大別して無料プレー権発行と割引券・金券はあ発行がある。
無料はグリーンランドリゾート(旧・三井グリーンランド)とPGGIHで(オンワード樫山もレイクランドCCのGF無料券を発行していたが、現在は廃止)、その他の計14社は割引券を発行する優待制度となっている。
また、系列外のゴルフ場を利用できる優待制度を実施しているのは、ゴルフダイジェスト・オンラインとリゾートソリューション。
両社共に、提携コースの予約代行等を行っている関係で、ダイジェストは提携約200コース(同社のサイトに利用可能のゴルフ場掲示)で利用できる割引券を、リゾートソリューションは系列コースを含め約170コースを利用できる倶楽部カードを発行している。
これら株主優待の制度は、集客や売上げのアップに多少繋がるが、ゴルフ会員権を所有する会員の権利との調整が必要だ。
もっとも、割引券の利用頻度は少ないようで、東急不動産によると、同社の割引券(平日限定で1組4名を各1500円引き)を利用した来場者は、昨年の場合960名に過ぎなかったという。
そのデータから見ると、割引券は魅力に欠けるところがあるようだ。
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