今回のテーマ
中国の少数民族・トン族の鼓楼と風雨橋(3)
三江(広西壮族自治区)〜肇興(貴州省)
中国南西部、広西チワン族自治区と貴州省には、トン族の住む地域が広がっている。山の多いこの地方で、実に勤勉に水田を作り、畑を耕している。緑の山々と水田、村々の間を流れる川など、どこか昔の日本の山村を思わせるものがある。
地味な紺色の民族衣装を身に着けたトン族だが、彼らを特徴づけるのは、豊かな森林資源を利用した木造建築物だ。特に村の中心にそびえる鼓楼と、雨の多いこの地方独特の風雨橋は、他では見られないものだ。
トン族の鼓楼を初めて知ったのは、約10年前にバンコク・中華街での古本屋で見かけた中国語雑誌の写真であった。それ以来、トン族の建築物がずっと気になっていたが、富永省三氏によるトン族の村に関する旅行情報地図を手に入れるに至り、1998年6月、10日間に渡って現地を訪れることとなった。3回に渡り、地域ルート別に建築名所を紹介しているが、今回は最終3回目の三江(広西壮族自治区)〜肇興(貴州省)ルートである。
今回の地域ルート旅行記
3回目: 三江〜林渓、馬胖
(写真右:肇興の鼓楼)
1回目: 三江〜高定 ルート(バックナンバー情報)
2回目: 三江〜林渓、馬胖 ルート(バックナンバー情報)
3回目: 三江〜肇興 ルート(今回紹介分)
旅の一般情報
●中国・広西壮族自治区の桂林から、バス(約6時間)で三江へ。この町を基点に
トン族の集落を訪ねる。
●三江の町は、川沿いに開け、すぐ丘が迫っている。メインストリート1本で、歩い
て簡単に回れる。
●バスターミナルに運賃・時刻が明記されており、公営・私営の全てのバスが、ここ
から出発
●ホテルは、町を見下ろす丘に立つ鼓楼の後ろに政府招待所(バスターミナルか
ら徒歩約10分)。他にメインストリートに2〜3軒ホテルがある。
写真撮影上のポイント
●この地域は雨が多いようで、特に私の行った6月は10日間、ほとんど太陽を
見ることができず。春浅い4月や、10月・11月は雨が少ないかも?
●午前中は、村へのバスも多いが、午後には本数も減り、遠方へは1日1〜2本
しかない。
●プライベートの乗合バンをチャーターすれば、時間を気にせず動ける。
●集落の多数の民家は立派な伝統的木造建築だが、新建材を使った民家も
建ち始めた。
また、コンクリート製電柱も増え、絵になりにくい所も出てきた。
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